管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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貯水槽の内部点検はドローンでどこまで見えるか|槽の形で変わる死角

貯水槽の内部点検はドローンでどこまで見えるか|槽の形で変わる死角

貯水槽の内部をドローンの映像で見られる範囲は、槽の形と点検口の位置、水面の高さで決まります。空中を飛ぶ機体が映せるのは水面より上の内壁と天井で、水に沈んだ壁と底は映りません。水面より上でも、四角いパネル式の槽では内側の補強材の裏と四隅が、横置きの円筒形の槽では水面と壁が近づく両脇が、映像で見落としやすい場所です。

映像に映らない場所を見るには、水を張ったまま水中ドローンを沈める方法と、清掃で水を抜いた日に人が直接見る方法があります。下水道管やタンクの清掃を30年以上続けてきた清美環は、管内点検ドローン『フクロウ』で設備の内部の点検も引き受けていますが、飲み水をためる受水槽と貯水槽には、機体が落ちたときの衛生上の影響を考えて、機体を入れていません。

水面の上と下で分かれる貯水槽の点検場所

貯水槽の内部で点検する場所は水面の上と下に分かれ、空中を飛ぶドローンの映像には、水面より下の場所が映りません。水面より上には、天井の裏側の結露やさび、内壁の上部の塗装の傷み、ボールタップや水位を測る電極などの部品があります。水面より下にあるのは、底にたまった沈殿物や、内壁の下部と底の角のさび、パネルの継ぎ目の傷みなどです。

普段の運転のままでは、貯水槽の底と内壁の下部が水面の上に出ることはほとんどありません。使った分の水を、ボールタップなどの給水の仕組みが自動で補い、水面を一定の幅に保っているためです。空中を飛ぶ機体で底まで映すには、槽の水を抜く必要があります。

天井の裏側は機体の真上にあたるため、カメラを上へ向けられない機体では映せません。水面の近くでは、機体の照明が水面で照り返し、映像に映り込むこともあります。

四角いパネル式の槽で回り込める場所と死角

四角いパネル式の槽で映像の死角になりやすいのは、槽の内側を横切る補強材の裏と、四隅と天井の角です。パネル式の槽には、パネルの外側に補強材を付けた造りと、槽の内側に補強材を通した造りがあり、内側に補強材を通した槽ほど、機体が回り込める範囲は狭まるでしょう。

角形と円筒形の槽の点検口と死角

内側を横切る補強材の裏

内側に補強材を通した槽では、点検口から入れた機体のカメラに、補強材の点検口側の面と、補強材より手前の壁が映ります。補強材の裏の面と、補強材の陰になった壁を映すには、補強材の間を抜けて反対側へ回り込まなければなりません。

回り込めるかは、補強材と補強材の間隔と、補強材から水面や天井までの高さが、機体の外形より十分に広いかで決まります。間隔が機体の外形に近いと、機体のガードが補強材に触れやすくなり、抜けた先で向きを変える余地も残りません。外側に補強材を付けた槽は、内側を横切る部材が少ないぶん、点検口の下から奥の壁まで見通しやすい造りです。

四隅と天井の角

四角い槽の四隅は、2つの壁が直角に交わるため、離れた位置から斜めに映すと、奥が暗く映ることが少なくありません。隅を正面から映すには機体を隅へ近づけることになり、両側の壁が迫るぶん、機体が壁に触れやすくなります。天井と壁が交わる角も、照明が斜めに当たって影ができやすい場所でしょう。

中仕切りで分けた槽

中仕切りで2つに分けた槽では、仕切りの向こう側を別の槽として扱い、それぞれの点検口から機体を入れ直します。片側の水を抜いても、もう片側で給水を続けられる造りなら、水を抜いた側は、底まで空中から映すことも難しくありません。

円筒形の槽で見えやすい場所と死角

円筒形の槽は内側に角がなく壁が途切れずに続くので、四角い槽のような隅の死角は出にくくなります。死角になりやすいのは、水面と壁が近づく場所と、槽の中を通る管やはしごの裏です。

縦置きの円筒形の槽で点検口が天井の中央にあれば、槽の中心から壁までの距離はどの向きでも変わりません。槽の中に給水の管やはしごが通っている所だけは、管やはしごの裏の壁が陰になります。

横置きの円筒形の槽は断面が円なので、水面の上に残る空間は中央が最も高く、両脇では水面と壁の間がほとんどありません。水位が高いほど空間は薄くなり、機体が飛べる高さも限られます。両脇の壁は、機体が入れる中央から斜めに映すことになるでしょう。点検口が胴の上に1つだけなら、両端のふくらんだ板(鏡板)は点検口から最も遠く、照明が届く距離によっては暗く映ります。

円筒形の槽を壁に沿って映す考え方は、飲み水以外の円筒形などの大型タンクにも当てはまるでしょう。大型タンクやプラント設備の内部点検の無料相談・お見積りは、お問い合わせページから受け付けています。

点検口の大きさと位置で決まる機体の入れ方

ドローンを貯水槽に入れられるかは、機体が入れる大きさの点検口が、入れた先で機体を回せる位置にあるかで決まり、槽の大きさだけでは決まりません。

告示が定めるマンホールの大きさ

建築基準法に基づく国の告示は、建物に設ける給水タンクや貯水タンクに、内部の保守点検を容易かつ安全に行える位置へマンホールを設けるよう定めています。マンホールの大きさは、直径60センチメートル以上の円が内側に収まるものでなければなりません。天井がふたを兼ねるタンクはマンホールの決まりから、外から内部を点検しやすい小規模なタンクは大きさの決まりから外れます。

60センチメートルは保守点検のための大きさの決まりで、ドローンが通れるかは別に確かめる必要があります。機種ごとに公表されている、機体が入れる最小の開口部の寸法と、点検口の内径を比べてください。告示は、常に圧力がかかる槽を除き、ほこりが入らないようマンホールを立ち上げることも求めており、機体は短い筒を縦に下りてから槽に入ります。

点検口の真下と槽の奥

点検口の真下に付いた、人が下りるためのはしごは見落とされがちです。はしごが付いた槽では、ドローンははしごと壁の間を抜けて下りなければなりません。点検口が槽の端に寄っていると、反対側の壁や隅までの距離が長くなり、照明が届くかで奥の映り方が変わるでしょう。

屋上の高置水槽に残る高い所の作業

高置水槽は、受水槽の水をポンプでくみ上げてため、高い所から自然に流して配る槽で、屋上などに置かれます。高置水槽の点検口ははしごを上った先の槽の上にあり、操縦する人も機材を運ぶ人も、高い所で作業しなければなりません。ドローンで人が槽に入る作業は減らせても、槽の上に立つ人の墜落を防ぐ手立ては省けません。

空中の映像で見えない場所の補い方

空中を飛ぶドローンの映像で見えない場所を補う方法は、水中ドローンで映す方法と、清掃で水を抜いた日に人の目で確かめる方法の2つです。

空中映像・水中カメラ・清掃日の目視の見える範囲

水中ドローンで見る水に沈んだ壁と底

水に沈んだ壁と底は、ケーブルでつないだ水中ドローンを沈めれば、水を張ったまま映せます。配水池や水槽の内部を水中ドローンで点検調査する会社もありますが、機材を飲み水に沈めるので、使う場合は、機材の洗い方と消毒の仕方を点検する会社と取り決めておかなければなりません。底の沈殿物は機材が近づくと舞い上がり、映像が濁ることがあるため、沈殿物のたまり方は離れた位置から先に撮ります。

清掃の日に人が見る補強材の裏と四隅

補強材の裏や四隅、濁りで見えにくい底の角は、清掃で水を抜いた日に、人が中に入って直接見るのが確かです。映像による点検は、法令が求める清掃と検査の代わりにはなりません。

清掃の日が毎年来る建物の条件

水道事業の水だけを水源にし、水を受ける槽の有効容量の合計が10立方メートルを超える水道は、水道法の簡易専用水道に当たります。規模が大きく専用水道に当たるものは除かれます。簡易専用水道の設置者は、水道法と水道法施行規則により、水槽の掃除を毎年1回以上行い、登録を受けた機関などの検査を毎年1回以上受けなければなりません。

有効容量の合計が10立方メートル以下の槽は簡易専用水道に当たらず、条例や要綱で管理を指導している自治体もあるため、所在地の自治体で確かめてください。

建築物衛生法の特定建築物では、同法の施行規則により、貯水槽の清掃を1年以内ごとに1回行います。特定建築物は、店舗や事務所、旅館などに使う部分の延べ面積が3,000平方メートル以上の建物と、小中学校や大学などの学校、または幼保連携型認定こども園だけに使う延べ面積8,000平方メートル以上の建物です。マンションなどの共同住宅は、特定建築物に入りません。

飲み水の槽に機体を入れるときの衛生の問題

飲み水をためる槽にドローンを入れるとき、最も重い問題は、機体が水に落ちたときの影響です。落ちた機体を引き上げても、部品の破片や機体の汚れが水に残るおそれは消えません。給水を止めて水を抜き、槽を洗って消毒し直すことになれば、点検で避けたかった断水を招きます。プロペラの風が、天井の裏側の水滴やほこりを水面へ落とすこともあるでしょう。

建築物衛生法の施行規則は、飲料水の貯水槽の清掃業として登録を受けるための基準に、揚水ポンプや高圧洗浄機などの機械器具を貯水槽の清掃専用にすることを挙げています。貯水槽に機体を入れる点検を請け負う会社へ依頼するときは、槽に入れる機体をほかの設備にも使っているかを確かめておきましょう。ほかの設備にも使う機体なら、槽に入れる前の洗い方と消毒の仕方を、その会社と決めておく必要があります。

貯水槽にドローンを入れられるかは、槽の形と点検口の大きさや位置で変わるため、点検を頼む会社に図面を見せて事前に相談してください。

飲み水以外のタンクやプラントの点検相談

清美環が管内点検ドローン『フクロウ』を入れて点検する設備は、次の3つに分かれます。

  • 管路:下水道管とマンホール
  • タンクと炉:円筒形や球形の大型タンク、焼却炉、ボイラー本体、ピット
  • 建物と工場の空間:天井裏、ダクト、プラントの設備

受水槽と貯水槽は、清美環がドローンを入れる設備に入っていません。油や溶剤の蒸気など、可燃性のガスがたまるおそれのある設備に機体を入れるには、換気とガス検知で可燃性ガスがないことを確かめておくことが前提になります。

運用する機体は、開口部の大きさや中の広さに合わせて使い分けられるよう、1種類に絞っていません。小型のIBIS2は、GPSを使えない屋内や管の中を飛ぶために作られた機体で、出入り口の小さい設備に向きます。ELIOS 3は機体を球体のガードで囲み、レーザーで周りとの距離を測るLiDARと、位置を推定するSLAMという技術で、位置を保つのを補う機体です。

点検で見つけた堆積や汚泥は、本業の清掃でそのまま取り除けるので、清掃もあわせてお任せください。ドローンを持っていても、管やタンクの中で飛ばす人がいない点検・調査会社からは、操縦委託のご相談も受け付けています。

円筒形などの大型タンク、下水道管、プラント設備の内部点検の無料相談・お見積りはお問い合わせページで受け付けており、お電話(042-765-4100、平日9時から18時)でもご相談いただけます。

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