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下水道管の老朽化率は10年で7%から22%へ|年あたりの点検量に直す

下水道管の老朽化率は10年で7%から22%へ|年あたりの点検量に直す

下水道管の老朽化率は、国土交通省の公表では令和6年度末で約7%です。全国約50万kmの下水道管路のうち、標準耐用年数の50年を過ぎた管が約4万kmあり、10年後には約11万km、割合にして約22%まで増える見込みとされました。1年あたりに直すと、50年を超える管は毎年約7,000kmずつ増えていく計算になります。全国特別重点調査で535団体がおよそ1年かけて目視調査した延長は約5,100kmだったので、それより長い管が毎年新たに50年を過ぎていきます。

ただし老朽化率は布設からの年数で数えた割合で、管の傷み具合を調べた数字ではありません。全国特別重点調査では、管径2m以上で30年以上たった同じ対象の中でも、腐食しやすい箇所などの条件で選んだ区間は約40%、それ以外の区間は約11%が要対策と判定されました。自分の管路の点検計画は、台帳の延長を点検の頻度で割って1年あたりの点検量を出し、弱点を抱える区間から順に割り振ると組み立てられます。

下水道管の老朽化率は令和6年度末で約7%

下水道管の老朽化率として使われる国の数字は、標準耐用年数50年を過ぎた管路の延長を、全国の下水道管路の総延長で割った割合です。国土交通省の「下水道の維持管理」のページによると、令和6年度末の総延長は約50万kmで、都市下水路は含みません。50年を過ぎた管路は約4万kmで、総延長の約7%にあたりました。

同じページは、50年を過ぎる管路が10年後の令和16年度末に約11万km(約22%)、20年後の令和26年度末に約23万km(約45%)へ増えると見込んでいます。

国土交通省の資料どうしでも、老朽化率は基準の年度によって違う数字で載っています。令和8年7月に公表された「令和6年度下水道管路メンテナンス年報」は令和5年度末の数字を使い、50年を過ぎた管路を約4万km、全管路延長の約8%程度としました。10年後は約10万km(約20%)、20年後は約21万km(約42%)という見込みでした。報告書や議会の資料に老朽化率を引くときは、何年度末の数字かを書き添えておくと、別の資料の数字と並んだときに食い違いを説明できます。

老朽化率を1年あたりの延長に直す計算

老朽化率を1年あたりの延長に直すと、50年を超える下水道管は、これからの10年で年に約7,000km、その次の10年で年に約1万2,000kmずつ増えていきます。

令和6年度末から令和16年度末までは、約11万kmから約4万kmを引いた約7万kmを10で割り、1年あたり約7,000kmと出ました。令和16年度末から令和26年度末までは、約23万kmと約11万kmの差の約12万kmを10で割って、約1万2,000kmでした。元の数字が1万km単位の概数なので、千kmの位は目安として読んでください。

実際に1年で50年を迎える延長は、50年前のその年度に布設された延長で決まるため、年によって増えたり減ったりします。年度ごとの布設延長は、メンテナンス年報に載っている「管路施設の年度別管理延長」のグラフで確かめてください。

1年あたり約7,000kmは、全国特別重点調査で目視調査した延長を上回ります。国は令和7年3月に管径2m以上の管路の調査を要請し、535団体が令和8年2月末までに5,121kmの目視調査を終えました。

ただし、太さの違う管を同じ1kmとして並べている点には注意してください。国の資料では管径2m以上の管路は全国で約1万kmなので、50年を超える約4万kmの大半は2mより細い管です。

全国特別重点調査で判明した要対策の延長

全国特別重点調査では、令和8年6月末時点で、調査結果が出た5,209kmのうち807km、割合にして約15%が要対策と判定されました。国の検討会の資料では、対象は管径2m以上で設置や改築から30年以上たった下水道管路とされ、535団体の5,332kmが当たりました。要対策には、原則1年以内に速やかな対策が要る緊急度Ⅰと、応急措置をしたうえで5年以内に対策する緊急度Ⅱが含まれます。

腐食しやすい箇所とそれ以外の管路の状態の違い

748kmと807kmの違い

要対策748kmは、国土交通省が令和8年4月21日に公表した2月末時点の結果です。2月末時点では、5,121kmの目視調査で緊急度Ⅰが201km、緊急度Ⅱが547km見つかっていました。

807kmは、国の検討会が令和8年8月20日に示した6月末時点の結果で、内訳は緊急度Ⅰが218km、緊急度Ⅱが589kmでした。国の資料は、2月末時点の公表の後に調査が進み、要対策が59km増えて807kmになったと説明しました。

要対策807kmとマンホール間の延長

要対策の807kmは、対策が要る長さを見積もった推計延長です。緊急度ⅠかⅡと判定された区間を、マンホールからマンホールまでの長さで数えると2,432kmで、内訳は緊急度Ⅰの区間が601km、緊急度Ⅱの区間が1,831kmでした。

路面の下の空洞を探す調査は、この2,432kmのうち1,648kmで行われ、空洞が133箇所見つかって、すべて対策済みとされました。追加の調査の量を見積もるときは、要対策の推計延長ではなく、マンホールの間の延長を基にすることになります。

優先実施箇所で約40%に上った要対策

優先実施箇所の要対策は、判定を終えた800kmのうち320km、約40%に上りました。優先実施箇所は、埼玉県八潮市の陥没現場に似た構造と地盤の箇所や、構造的に腐食しやすい箇所などの条件で選ばれた813kmです。残りの4,519kmでは、判定を終えた4,409kmのうち487km、約11%が要対策でした。

国の検討会の検討とりまとめによると、優先実施箇所以外で緊急度Ⅰとされた約147km(令和8年2月末時点)は、要因の約99%が摩耗や風化、中性化といった材質の劣化と、マンホールや管の接続部での力学的な要因でした。

法令と見直し案から出す点検の延長

管渠の区間で1年あたりの点検量を法令の頻度から計算できるのは、下水道法施行令第5条の12が5年に1回以上と定める、腐食するおそれが大きい箇所に限られます。管渠のほかの区間について施行令が定めているのは、管の構造や下水の量と水質などを考えて「適切な時期」に点検することで、頻度の数字はありません。

腐食するおそれが大きい箇所の年646km

腐食するおそれが大きい箇所は5年に1回以上の点検が必要で、5年間で均等に進めると全国で1年あたり約646kmになります。メンテナンス年報によると、点検の対象になる管渠は全国で3,228kmあります。約646kmは、この3,228kmを5で割って出しました。

5年に1回以上の対象になるのは、防食の措置がないコンクリート製などの暗渠のうち、流れの勾配や高低差が著しく変わる箇所や、伏越室の壁のように硫化水素が多く出る箇所とその周辺です。令和6年度に点検された管渠は940kmで、対象延長の約29%でした。令和3年度から始まった2巡目の点検は、令和6年度までの4年間で2,503km、約78%まで進んでいます。

3,228kmは、全国約50万kmの管路の1%にも届きません。法令の頻度だけで点検量を見積もると、50年を過ぎた約4万kmの大半は計算に入らないまま残ります。

重要管路は10年に1回以上とする案

令和8年10月5日に公表された国の検討会の検討とりまとめでは、事故が起きたときの影響が大きい重要管路を10年に1回以上、そのうち要注意箇所を3年か5年に1回以上点検する方針が示されました。重要管路には、管径2m相当以上の管路や流域下水道の管路のほか、緊急輸送道路や軌道、河川の下を通る管路などが入ります。数字が確定するのは、国が技術基準を見直したときです。

重要管路以外の管路は、腐食しやすい箇所を5年に1回以上とし、それ以外の区間は自治体がリスク評価や管の材質、過去の点検結果をもとに点検の時期を決めるとされました。見直し案の頻度で1年あたりの点検量を出すなら、重要管路のうち要注意箇所以外の延長を10で割り、要注意箇所の延長を5か3で割った値と足してください。

自分の管路で1年あたりの点検量を出す手順

自分が管理する下水道管の1年あたりの点検量は、台帳から延長を区分ごとに拾い、区分ごとの延長を点検の頻度の年数で割って足すと出ます。手順は次の5つです。

点検量を出す4つの手順
  1. 布設年度ごとの延長を台帳から集計し、いま50年を過ぎた延長と、10年後までに過ぎる延長を出す
  2. 腐食するおそれが大きい箇所の延長を拾い、5で割る
  3. 重要管路に当たる区間の延長を拾い、要注意箇所以外は10で、要注意箇所は5か3で割る
  4. 手順2の結果を現行法令の分、手順3の結果を見直し案の分として分けて書き、それぞれを年度ごとの点検の実績延長と比べる。2つを足すときは、重要管路の中にある腐食するおそれが大きい箇所を二重に数えないよう、頻度の高いほうの年数で1回だけ割る
  5. 実績で足りない延長と、水位や堆積で撮れなかった区間を、外に頼む候補として一覧にする

重要管路以外で腐食しやすい箇所でもない区間は、自治体が点検の時期を決めます。50年を過ぎた延長は、自治体が時期を決める区間のうち、どこを先に点検するかを選ぶ材料に使います。

外に頼む延長が決まったら、委託先には、口径と水位の条件ごとに1日で撮れる延長の実績を聞いてください。頼む延長をその実績で割れば、要る日数と、マンホールの蓋を開ける回数の見当がつきます。

台帳の延長と口径、これまでに撮れなかった区間の一覧をお送りいただければ、どの区間をドローンで撮れるか、区間ごとに見立てをお返しします。『フクロウ』への無料相談とお見積りは、お問い合わせページからお申し込みください。

ドローンで撮れる区間と撮れない区間

飛んで進むドローンで撮れるのは、機体が入れる口径があり、水面より上に機体が通れる空間が残っている区間です。全国特別重点調査では、管路の中が常に満水であるなどの理由で、令和8年6月末時点でも調べられない箇所が残りました。検討とりまとめも、大口径の管路では水位や流速のために点検が容易でない箇所があり、撮った画像が不鮮明で診断できない例もあったと記しました。

機体が先へ進めるかは、口径と水位、堆積、段差で決まります。進入口からの距離と曲がりによって、操縦の電波が届くかと、電池が往復までもつかも変わります。検討とりまとめは、飛行式ドローンと浮流式カメラについて、カメラの性能や位置情報の把握、曲線部での飛行の精度を上げることを技術の課題に挙げました。

令和8年10月5日に公表された検討とりまとめは、飛行式ドローンの映像を、今の一般的な技術では概略点検にあたるとし、十分に見えて健全度を区分できる場合には詳細点検として扱えるとしました。これは国が技術基準を見直すための方針で、扱いが確定するのは技術基準が見直されたときです。

老朽化した下水道管の点検の相談先

株式会社清美環は、神奈川県相模原市で30年以上、下水道管と排水管の清掃を続けてきました。管内点検ドローン『フクロウ』の調査は、全線を通して撮るスクリーニング調査と、異状が疑われた箇所を詳しく撮る本格調査の2段階で進め、映像と報告書をデータで納品します。清美環の調査は自治体が行う法定の点検に代わるものではなく、映像をもとにした診断や判定は下水道の管理者の側で行います。

『フクロウ』で調べるのは機体が入れる口径の下水道管とマンホールなどで、排水管と水道の配水管は事業の方針として対象にしていません。受水槽と貯水槽は、墜落したときに飲み水の衛生へ響くため、機体を入れていません。可燃性ガスのおそれがある管路には、換気とガス検知で可燃性ガスがないことを確かめてから機体を入れます。使っている機体のELIOS 3が防爆仕様ではなく、メーカーが可燃性・爆発性の物質がある場所やそのおそれのある場所では飛ばさないよう定めているためです。

ドローンを持っていても管内の操縦を任せられる人がいない点検・調査会社からの、オペレーターだけを出す操縦委託のご依頼は、操縦委託のお問い合わせからお寄せください。

点検する延長や区間の一覧をもとにしたお見積りと無料相談は、お問い合わせページで承ります。お電話の場合は、042-765-4100(平日9時から18時)におかけください。

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