管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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格納式ドローン点検の進め方|入口の確保から引き返す判断まで

格納式ドローン点検の進め方|入口の確保から引き返す判断まで

格納式ドローンで下水道管を点検するときは、マンホールの中の空気を確かめてから機体を降ろし、電池が持ち、電波が届き、飛べる空間が残っているうちに撮影を切り上げて引き返します。1回の飛行で届く距離は機体の性能だけでは決まらず、管の曲がりや水位、撮影のために止まる時間でも縮みます。発注の前に、どのマンホールから入れてどこで折り返し、どうなったら引き返すかを委託先と決めておけば、当日撮れなかった区間の扱いまで見通せるでしょう。

ここでいう格納式ドローンは、マンホールやタンクの点検口のような小さな開口から中へ入れる小型の機体を指します。管内点検ドローン『フクロウ』を提供する清美環は、相模原市で30年以上、下水道管の清掃を本業としてきました。以下では、マンホールの間が100mある区間を調べる場合を例に、一般的な進め方を書きます。

格納式ドローンの点検を進める4つの段階

格納式ドローンによる下水道管の点検は、次の4つの段階を順に踏んで進めます。

入口の準備から回収と確認までの点検4段階
  1. 入口の準備:蓋を開けて人孔の中の空気を測り、換気してアンテナの置き場所を決める
  2. スクリーニング調査:区間を通して撮り、異状が疑われる箇所を絞る
  3. 本格調査:絞った箇所まで飛び、止まって詳しく撮る
  4. 回収と確認:機体を入口へ戻し、撮れた範囲と撮れなかった範囲を映像で確かめる

国土技術政策総合研究所の下水道管路調査機器カタログ(第2版、令和7年6月)は、地上の配置人員をIBIS2で2名、ELIOS 3で3名としており、交通誘導員はこの人数に含まれていません。道路上のマンホールから入れるなら、交通誘導員を誰が手配するかも、入口の準備に含めて決めておきましょう。

入口の確保で、機体を降ろす前に確かめること

入口の確保で確かめるのは、機体が入る開口と管径、人孔の中の空気、電波を届かせる段取りの3つで、1つでも欠ければ機体は飛ばせません。

マンホールの開口と管径

機体を降ろせるかは、まずマンホールの開口と管の太さで決まります。小型のIBIS2について、メーカーのLiberawareは、IBIS2の製品ページで、機体が20cm×20cm・243gで、直径600mmのマンホールからでも人が管内に下りずに作業できるとしています。球体のガードで機体を囲ったELIOS 3も、国のカタログには、人が人孔に立ち入らずに出し入れできる機器として載っていました。

管の太さの目安は、同じカタログが適用可能条件として示しています。IBIS2は管径400mm以上、ELIOS 3は管径800mm以上です。ただし管径がこの値を上回っていても、水面より上に残る空間や堆積の状態しだいで、入口から先へ進めるとは限りません。

人孔の中の空気と換気

機体を開口へ入れる前には、人孔の中の空気をガス検知器で測り、換気します。人が降りずに機体だけを入れる日は、この測定で機体を降ろすかどうかを決め、換気しても可燃性ガスのおそれが残る入口からは降ろしません。メーカーのFlyabilityは、ガスセンサーのページで、清美環が使うELIOS 3を防爆仕様として設計しておらず、可燃性または爆発性の物質がある場所や、あると疑われる場所での運用を認めていないと説明しています。

人が人孔の中へ降りる日の段取りは、機体だけを入れる日と同じとは限りません。酸素欠乏症等防止規則は、労働安全衛生法施行令の別表第6第9号に当たる管やマンホールの内部で人が作業する場合に、作業に入る前の酸素と硫化水素の測定と、原則としての換気を事業者に求めているからです。下水道でいえば、汚水を今流している管も、以前に流していた管も、そのマンホールも第9号に当たります。別表第6に当たるかは、管に何を流してきたかや水がたまったことがあるかなどで決まるため、施設の記録で確かめておきましょう。

電波を届かせる段取り

管の中は操縦の電波が届きにくいため、入口ではアンテナの置き場所を決めてから飛ばします。国のカタログでは、IBIS2が、エクステンションアンテナで人孔や管の中に電波の届く環境を作り、作業員が地上にいたまま飛ばせる機種として紹介されていました。ELIOS 3も、必要な資機材としてアンテナ延長ケーブルが挙がっています。

1回の飛行で進める距離の目安

1回の飛行で奥へ進める距離は、電池が持つ時間から、帰り道と着陸の余裕、撮影で止まる時間を引いた残りで決まります。国のカタログに載る継続可能時間(続けて飛べる時間)は、IBIS2が約11分、ELIOS 3が約9分でした。

電池と電波で決まる距離

見落とされやすいのが、管の中では電池が持つ時間そのものが短くなりやすい点です。ELIOS 3の取扱説明書は、飛行時間をLiDAR(レーザーで周りの形を測る装置)を載せた状態で9分、載せない状態で12分30秒としています。そのうえで、とても狭い空間での飛行や接触の多い飛行、強い風、20℃を下回る冷えた電池などで短くなると書いていました。下水道管の中は、狭さと壁への接触、管の中を流れる風が重なりやすい場所でしょう。

届く距離が管の曲がりでも縮むのは、操縦と映像の電波が直進する性質が強く、アンテナを置いた入口から見通せない所まで進むと途切れやすくなるからです。図面で曲がりの位置が分かれば、1回で届く範囲の見当を飛ばす前につけられ、どのマンホールから入れるかも決めやすくなるでしょう。

100mの区間を何回に分けて飛ぶか

マンホールの間が100mある区間を何回かに分けて飛ぶなら、組み方は主に次の2つです。

  • 片側から入れ直す組み方:同じマンホールから入れ、1回で届かなければ電池を替えて、前回引き返した地点の先へ進める
  • 両端から入れる組み方:両端のマンホールから1回ずつ入れ、区間の真ん中で2回分の映像が重なるように折り返し点を決める

片側から入れ直す組み方では、2回目に前回撮った区間を通り直すぶん、奥で使える時間が減るのを避けられません。両端から入れる組み方が向くのは、両方のマンホールの蓋を開けられ、どちらの入口でも交通を止める段取りがつく区間です。

本格調査の飛行は、狙った箇所の前で止まって撮るため、同じ電池で届く奥行きがスクリーニング調査より短くなります。疑わしい箇所が区間の片側に集まっていれば、その箇所に近いマンホールから入れると、止まって撮る時間を長く取れるでしょう。

途中で引き返す判断の基準

管の中を進む機体は、次の5つのうち1つでも当てはまれば、予定の折り返し点の手前でも引き返します。

入口から進み、折り返し点で引き返す流れ

引き返す5つの条件

  • 電池:帰り道と着陸に要る残量を残せなくなりそうなとき
  • 電波:操縦や映像の電波が途切れ始めたとき
  • 飛べる空間:水面と天井の間が狭まったときや、堆積や詰まりで断面がふさがっているとき
  • 映像:水しぶきやレンズの汚れで、管の壁の状態を判定できなくなったとき
  • 機体の姿勢:管の中の風や壁への接触で、姿勢を保てなくなったとき

自動で戻る機能を持つ機体もあります。国のカタログでは、ELIOS 3が、電波の途切れたときに電波の届く位置まで戻る機能と離陸地点まで戻る機能を備え、帰還に要る電池の残量も監視できると紹介されていました。ただ、飛行そのものは2機種とも手動の操作とされ、どこで引き返すかを映像と残量を見て決めるのは操縦者です。

引き返した区間の次の手

予定より手前で引き返した区間は、引き返した理由に合わせて次の手を選びましょう。

  • 電池や電波で引き返した区間:反対側のマンホールから入れ直す
  • 水位で引き返した区間:流れる水の量が少ない時間帯に入れ直す
  • 堆積や詰まりで引き返した区間:清掃で断面を空けてから撮り直す

清美環は下水道管の清掃を本業としてきたため、堆積や詰まりで引き返した区間は、断面を空ける清掃も同じ窓口で引き受けられます。

機体が管の中で止まってしまうこともあります。IBIS2は転倒しても再び離陸できるタートルモードを備え、国のカタログはこの機能で帰還率が上がったとしました。それでも戻れない機体を人が人孔へ降りて回収するなら、機体だけで済ませるはずだった当日の作業が、人の入る作業に変わります。その管とマンホールが別表第6第9号に当たる場合は、酸素と硫化水素の測定を終え、原則として換気も済ませるまで、回収のために人を降ろせません。

お手元の区間が1回の飛行で届くか、何回に分けて飛ぶかについては、管径や延長、マンホールの位置、曲がりなどが分かる図面があれば、ご相談の段階で組み方の案をお示しできます。管内点検ドローン『フクロウ』への無料相談・お見積りは、お問い合わせページからお寄せください。

発注前に委託先と決めておく4つのこと

格納式ドローンの点検を外注するときは、次の4つを発注の前に委託先と決めておくと、当日に飛行を取りやめた場合や撮れない区間が出た場合の扱いが、後から食い違いません。

  • 入れるマンホールと折り返し点:区間ごとに、どのマンホールから入れてどこで引き返す予定か
  • 当日の中止条件:雨の予報や入口の水位、ガスの測定値がどうなら飛ばさないか
  • 機体が止まったときの回収:誰が、どのマンホールから、どの道具で回収するか
  • 撮れなかった区間の示し方:引き返した地点と理由を、報告書の図や表にどう載せるか

相談の際は、管路の図面と、ふだんの水位や流量が下がる時間帯、過去にガスを測った記録などがあれば添えてください。

清美環が機体を入れる設備と入れない設備

清美環が管内点検ドローン『フクロウ』で機体を入れる設備は、次の3種類です。

  • 管路:下水道管、マンホール
  • 設備の内部:焼却炉、大型タンク、ボイラー本体、ピット、ダクト、プラント
  • 建物:天井裏

排水管と配水管は、清美環が事業として機体を入れる対象にしていません。受水槽と貯水槽は、機体が落ちた場合に飲み水の衛生へ響くため、対象から外しました。

格納式ドローンの点検を『フクロウ』に相談する

下水道管の清掃を30年以上続けてきた清美環は、管内点検ドローン『フクロウ』の調査で、小型のIBIS2と球体のガードを付けたELIOS 3を現場の条件で選び分けます。スクリーニング調査と本格調査の映像は、報告書と合わせてデータで納品します。自社でドローンを導入したものの、管の中を飛ばす操縦者がいない点検・調査会社は、オペレーターだけを出す操縦委託もご利用ください。

無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100、平日9時から18時)でも承ります。管径と延長、マンホールの位置が分かる資料をお送りいただければ、どのマンホールから入れて何回に分けて飛ぶかの案からお返しします。

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