管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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汚水槽の内部点検をドローンで|酸欠リスクと調査手順の組み立て方

汚水槽の内部点検をドローンで|酸欠リスクと調査手順の組み立て方

汚水槽の中がいまどうなっているか、図面ではなく実物で答えられる施設は多くありません。ふたを開ければ臭気が上がり、内部は暗く、足元は汚泥。清掃を頼んだときに作業員が見た範囲を口頭で聞くだけ、という運用が続いてきた建物も少なくないでしょう。

この記事では、汚水槽の内部点検で何を確認しておきたいのかを整理したうえで、人を槽内に入れずに内部を映像で押さえる方法としてのドローン調査を、条件と限界まで含めて説明します。下水道管や排水管の清掃、排水処理施設の維持管理を三十年以上続けてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』で閉鎖空間を飛ばしている立場から書きました。

汚水槽の内部点検が後回しになりやすい理由

汚水槽は、点検の必要性が理解されていないから放置されるわけではありません。中に入るための段取りが重いことが、実務上の最大の壁になってきました。

汚水槽のように汚水を入れてある、あるいは入れたことのある槽の内部は、労働安全衛生法施行令の別表第六で酸素欠乏危険場所として挙げられています。硫化水素中毒のおそれもあわせて想定される場所にあたるため、作業にあたっては酸素欠乏症等防止規則にもとづく管理が求められました。同規則の第五条では、作業を行う場所の空気中の酸素濃度を十八パーセント以上、硫化水素濃度を百万分の十以下に保つよう換気することが定められています。加えて作業前の濃度測定、作業主任者の選任、外部での監視といった手当ても求められました。

つまり、槽内をひと目見るだけであっても、換気設備の準備、測定、人員の配置、そして槽をどこまで空にするかの調整がまとめてついてきます。日常の維持管理のなかで気軽に打てる手ではないため、清掃のタイミングに合わせるしかなく、その間隔が点検の間隔になってしまう。これが、汚水槽の内部が長く見られないまま経過する構図でしょう。

汚水槽の内部で確認しておきたいもの

では、実際に中を見られたとして、何を記録しておくと後の判断に効いてくるのでしょうか。汚水槽の点検で押さえたい対象は、大きく三つに分けられるでしょう。

汚水槽内部で確認すべき点検項目図

躯体と内面の状態

コンクリート製の槽で起きるのが、硫化水素に由来する腐食です。槽内で発生した硫化水素が気相部の結露水に溶け、細菌のはたらきで硫酸に変わり、コンクリート表面を痛めていきます。水面より上の壁面や天井のほうが荒れているという逆転が起きるのは、そのためでした。骨材が露出しているか、内面防水の膜が浮いていないか、貫通するようなひび割れが出ていないか。腐食の進行度は、更新か補修かを決める材料になります。

配管と機器のまわり

流入管と流出管の口元、通気管、レベルスイッチ、ポンプの吐出配管や吊り具。これらの取り合い部分は、腐食と付着物の両方が集まりやすい箇所です。フロートに油脂が巻き付いて動かなくなっていた、通気が塞がって槽内の空気が入れ替わっていなかった、といった不具合は、水位や臭気の異常として地上に現れる前に、内部の映像でつかめる場合があります。地上側の記録と現場の勘だけでは、原因の切り分けに時間がかかりがちでした。

堆積とスカムの分布

底部にどれだけ汚泥が積もり、水面にどれだけスカムが張っているか。清掃の周期を決めるうえで直接効く情報にもかかわらず、感覚で決められていることが多い部分でしょう。前回清掃からの経過とあわせて分布を記録しておくと、次の清掃時期を数字で説明できるようになります。あわせて、ポンプ井に砂がどれだけ入り込んでいるか、油脂がどの高さまで固着しているかを見ておくと、臭気の苦情が出たときに原因をたどりやすくなりました。

従来のやり方が届かなくなる場面

汚水槽の内部を確認する手段は、これまでもありました。マンホールから照明を入れて上からのぞく目視、ポールの先にカメラを付けて差し入れる撮影、そして人が降りての直接確認です。それぞれ有効な場面はあるものの、限界も分かりやすい形で出てきます。

上からの目視で見えるのは、開口部の真下とその周囲だけ。槽が広いほど、また梁や隔壁で仕切られているほど、死角が増えます。ポールカメラも同様で、開口部から届く範囲を超えては進めません。腐食が進みやすい気相部の隅、流入管の口元、隔壁の裏側といった、いちばん見たい場所がしばしば死角側に入ります。

人が降りれば見られますが、そこで前述の段取りが立ちはだかりました。換気、測定、監視員、退避経路の確保。点検の所要時間より、入るための準備と復旧のほうが長くなる現場も珍しくありません。しかも槽をほぼ空にしなければならず、施設を止められる日程は限られています。

汚水槽にドローンを入れる場合、成立する条件

ここで先に線を引いておきます。閉鎖空間だからといって、どの汚水槽にも機体を入れられるわけではありません。可否は槽の側の条件で決まります。

判断材料になるのは、機体を入れられる開口部があるか、飛行できる気中の空間が残っているか、換気で内部のガスと湿気をどこまで下げられるか、隔壁や配管でどれだけ空間が分断されているか、といった点です。水位が高く気中の空間がほとんどない状態では飛ばす余地がありませんし、開口部が小さすぎれば機体が通りません。汚水槽は飲料水系の受水槽や貯水槽とは衛生上の位置づけが異なりますが、条件次第で対応の可否が変わる対象であることに変わりはないため、清美環では図面と現地条件をうかがったうえで判断しています。

逆に条件が整えば、飛んで進む調査ならではの強みが出てくるでしょう。底に汚泥が残っていても機体は接地しませんし、隔壁の開口を越えて奥の区画へ入っていけます。気相部の天井面という、上からの目視ではもっとも見にくく、腐食はもっとも進みやすい面を正対して撮影できるのも、飛行体ならではでしょう。そして何より、人を槽の中に降ろさずに映像を得られます。

非GPSの暗所を映像だけで飛ばす技術と、二段階の調査

槽の中の飛行は、屋外の空撮とは別の技能を求められます。衛星の電波は届かず、機体は自分の位置を知る手立てを持ちません。暗く、壁が近く、湿気とスカムからの反射が視界を乱します。オペレーターは機体から送られてくる映像だけを頼りに操縦することになり、この方式をFPVと呼びました。屋外で安定して飛ばせる操縦者が、そのまま槽内や管内を飛ばせるとは限らないのが実情です。

非GPS暗所飛行と二段階調査の仕組み図

機体は現場条件で使い分けています。非GPS環境に特化した小型のIBIS2は、開口部が小さい設備や入り組んだ空間に向いた機体。球体ガードで囲ったELIOS 3は、接触の可能性が高い場所や障害物の多い槽内で扱いやすくなります。同じ汚水槽でも、開口寸法と内部の込み入り方で選ぶ機体は変わってきました。

調査の進め方も二段構えにしています。まず対象の全体を一気に飛んで映像で押さえ、異状が疑われる箇所をふるい分けるスクリーニング調査を行い、要注意と判断した部分だけを本格調査でじっくり確認する流れ。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できました。映像と報告書はデータで納品しており、修繕計画の資料としてそのまま使えます。

自社の汚水槽が調査の対象になるかどうか、図面と現地の条件が分かれば早い段階でお答えできます。槽の形状、開口部の寸法、水位や換気の状況をお聞かせいただければ、近い条件の事例をもとに進め方をご提案しますので、無料相談とお見積りはお問い合わせページからお気軽にどうぞ。お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承っております。

見つけた堆積を、清掃までひと続きで扱えるという違い

汚水槽の点検を外注するときに見落とされやすいのが、調査の後です。槽の中で見つかるものは、腐食やひび割れだけではありません。底部の汚泥、水面の油脂、機器に巻き付いた異物。これらは補修ではなく清掃の対象になります。

調査会社と清掃会社が別だと、ここで話が一度止まりました。映像を渡し、別の会社へ説明し直し、あらためて現場を見てもらう。段取りも費用も二重になります。清美環は本業として下水道管・排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃を三十年以上手がけてきました。点検で堆積や詰まりを見つけたら、そのまま清掃まで一括で引き受けられます。

本業の経験は、映像の読み解きにも効いてきました。槽内に映った堆積が、清掃すれば流れる汚れなのか、躯体側の損傷によって土砂が入り込んでいるのか。硫化水素が滞留しやすいのはどんな形状の部分か。長年、汚水を扱う設備の中を見続けてきた感覚が、判断の速さにつながっています。実績としては、中部地方で中規模の下水道管を約100メートルにわたって調査したほか、関西では薬品タンクの内部調査、北陸では焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって点検してきました。

なお、すでにドローンを保有していて槽内や管内を飛ばしきれないという点検・調査会社に向けて、操縦だけを引き受ける対応もしています。機体はあるが人がいないという場面では、操縦委託の相談窓口をご利用ください。

汚水槽の内部点検で迷ったら『フクロウ』へご相談ください

汚水槽の内部は、酸素欠乏と硫化水素という条件がついてまわるために、入るための段取りが点検そのものより重くなりがちな場所でした。結果として、気相部の腐食も、堆積の分布も、清掃のついでに把握される程度にとどまってきたと思われます。人を降ろさずに内部を映像で記録できれば、確認の頻度そのものを見直せるでしょう。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPS環境を映像だけで飛ばせる熟練オペレーターと二種類の機体、そして三十年の清掃の知見で、下水道管やマンホール、焼却炉、大型タンク、ボイラー、ピット、ダクトといった閉鎖空間の調査をお引き受けしてきました。汚水槽についても、槽の条件によって可否が変わるため、まずは現物の状況からお聞かせください。

対象の槽の用途、寸法、開口部の状況、これまでの点検や清掃の履歴をお聞かせいただければ、近い事例をもとに具体的な進め方をお示しします。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。

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