プラント点検の費用は、「点検する距離と範囲」「設備の停止期間」「足場」「立会いと安全管理」の4つの費目に分けると、どこが金額を動かしているかを読めます。タンクやボイラー、焼却炉の内部の点検をドローンに切り替えて大きく減りうるのは足場ですが、その足場も、機体を入れる開口部と中で飛べる広さがある設備でなければ外せません。
一方、立会いと安全管理の費目では、人を中に入れるための対策が外れることはあっても、開口部の開放や自社の立会いは残ります。足場の日数が減っても、停止期間が縮むとは限りません。
見積書に載らない費用は、設備を止めている間に失う生産と、自社の担当者が立ち会う人数と日数の分です。清美環は創業から30年以上、下水道管の清掃やタンク清掃を本業にしてきた会社で、いまは管内点検ドローン『フクロウ』で設備の内部の点検も引き受けています。
プラント点検の費用を分ける4つの費目
プラント点検の費用は、見積書に並ぶ項目も、見積書に載らない自社の負担も、ほとんどが次の4つの費目のどれかに振り分けられます。

- 距離と範囲:点検する管の延長、槽の内壁の広さ、炉や煙突の高さに応じた点検作業と報告書の費用
- 停止期間:設備を止めてから運転を再開するまでの日数と、その間に失う生産
- 足場:人が槽や炉の上部へ近づくための仮設の組立と解体、資材の搬入と搬出
- 立会いと安全管理:自社の担当者の立会い、構内の作業許可、開口部の開放、換気とガス検知
点検会社の見積書に金額として載るのは、距離と範囲、足場、安全管理の一部です。停止期間に失う生産と自社の担当者の立会いは、発注する側が負担していても、見積書の合計には入りません。合計の金額だけで比べると、足場の日数が減って停止期間が縮む分は、比較に表れません。
プラント点検の費用には、一律の相場を当てはめられません。4つの費目の大きさが、設備の高さや内径、内容物、定期修理の組み方で別々に変わるためです。
消防法で定期点検が義務づけられた危険物施設や、性能検査を受けるボイラーのように、法令で点検や検査が定められた設備では、その費用を4つの費目とは分けて扱ってください。ドローンの映像を法定の点検や検査に使えるかは法令が定める方法によるため、所轄の消防本部や登録性能検査機関に確かめる必要があります。
距離と範囲の費目を決める延長と開口部の数
距離と範囲の費目は、点検する延長や面積に加えて、ドローン点検では機体を入れる開口部をいくつ使うかで変わります。
管やダクトの中で、1つの開口部から機体がどこまで進めるかは、水位や堆積、段差だけでは決まりません。機体が1回に続けて飛べる時間と、操縦の電波が届く範囲にも限りがあるためです。届かない区間が残れば、別の開口部から機体を入れ直すことになり、準備と撤収の手間はその回数だけ増えるでしょう。見積書を受け取ったら、使う開口部の数と場所が書かれているかを確かめてください。
槽や炉の内部では、延長の代わりに、内壁の広さと高さ、中の構造物の多さが飛行の時間を決めます。人が入る点検の見積書では、同じ範囲を見るのに要る作業員の人数と日数を、この費目として読んでください。
全体を撮る範囲と詳しく撮る範囲を見積書で分けてもらうと、詳しく撮る範囲を広げたときと狭めたときに、金額がどう動くかを読めます。清美環も、全体を先に撮って異状が疑われる箇所を選ぶスクリーニング調査と、選んだ箇所を詳しく撮る本格調査の2段階で点検を進めます。点検する延長や面積そのものは設備で決まるので、全体を撮る費用は2段階に分けても減りません。
停止期間の費用と工程表の読み方
停止期間の費用のうち、ドローン点検に切り替えて工程表から外れるのは、足場の組立と解体に充てていた日数の分です。外れる日数は、点検会社の工程表を次の4つの工程に分けると読み取れます。
- 点検の準備:内容物の抜き取り、洗浄、換気、炉やボイラーの冷却
- 足場:組立と解体
- 点検:撮影や測定と記録
- 補修:点検で見つかった箇所の工事
点検の準備は、機体を入れる場合も省けません。内容物が残っていれば内壁は映らず、可燃性のガスや蒸気が残る槽や、冷めていない炉には機体を入れられないからです。
足場の日数が減ったときに停止期間も縮むかは、定期修理の全体工程表で、運転を再開する前に最後まで続いている工事を探すと見分けられます。その工事が点検する設備の工程であれば、足場の日数を減らした分だけ再開を早められるので、早まる日数に1日あたりの生産の損失を掛けた額を、自社で比較に書き足してください。最後まで続いているのがほかの設備の工事なら、再開の日は動かないため、停止期間の費目で比較に足す額はありません。
足場の費目がドローンで外れる条件
足場の費目がドローン点検で外れるかは、見積書の足場の行を次の順に確かめると判断できます。

- 足場の行が、点検のための足場か、補修のための足場か、両方をまとめた1行かを確かめ、まとめた1行なら2つに分けた金額を出してもらう
- 点検のための足場について、確かめたいことが内壁の映像で分かるか、機体を入れる開口部と中で飛べる広さがあるかを確かめ、両方を満たす分をドローン点検で外れる分として数える
- 補修のための足場は点検の方式を変えても要るので、ドローン点検の側にも行を残して比べる
もともと足場を組まずに点検している設備では、この費目は減りません。
ドローン点検でも足場が残る作業
ドローン点検に切り替えても足場が残るのは、人の手が壁に届く距離まで近づく測定と、補修の工事です。鋼板の残りの厚さを超音波で測る作業や、ハンマーで壁をたたいて音の違いを聞く打音の調査は、映像では代えられません。見積書では、補修のための足場を「異状箇所の周り」のように範囲を書いた行にしてもらうと、点検用の足場と見分けられます。厚さを測る箇所を法令や社内の基準で決めている設備では、その箇所に届くための足場は外せません。
機体が入れる開口部の大きさ
機体を入れられるかは、開口部の大きさと中の構造物の多さで決まるため、清美環は、非GPS環境での飛行に特化した小型機のIBIS2と、機体を球体のガードで覆ったELIOS 3の2機種を、現場の条件で使い分けます。
自社の設備で足場の費目が外れるかは、図面と開口部の寸法、前回の点検で組んだ足場の範囲を見て判断します。タンクや炉、ダクトの内部点検の無料相談とお見積りは、お問い合わせページからお申し込みください。
立会いと安全管理の費目で残るものと外れるもの
立会いと安全管理の費目は、ドローン点検に切り替えると、行ごとに残るものと外れるものに分かれます。開口部を開ける作業と、自社の担当者の立会い、構内の作業許可は、人が中に入らなくても残ることが多いでしょう。外れることがあるのは、人を中に入れるための酸素欠乏の対策で、人が入らずに点検を終えられ、設備が酸素欠乏危険場所に当たる場合だけです。
可燃性ガスのおそれがある設備では、可燃性ガスがないことを確かめてからでなければ機体を入れられないため、機体を入れる前の換気とガス検知も残ります。清美環が使う機体のうち、ELIOS 3は防爆仕様ではありません。メーカーの使用条件では、可燃性や爆発性の物質がある場所だけでなく、そのおそれがある場所での飛行も認められていません。
人が入らないことで点検の工程から外れる措置
人が中に入らずに点検を終えられるなら、人を入れるための酸素欠乏の対策は、点検の工程に要りません。酸素欠乏症等防止規則の対策が事業者の義務としてかかるのは、労働安全衛生法施行令の別表第6が定める酸素欠乏危険場所での作業です。プラントでは、相当の期間密閉されていた鋼製のボイラーやタンク(内壁がステンレス鋼製のものなどを除く)、窒素などの不活性ガスを入れたことのあるタンクや反応塔、汚水など腐りやすい物を入れたことのあるピットなどが当たります。
別表第6の場所で人が作業するときは、同規則により、酸素濃度などの事前の測定、原則としての換気、作業中の監視、作業主任者の選任などが欠かせません。同じ場所で、点検後の清掃や補修のために人が入るときは、同規則の対策が改めて必要になり、その費用は清掃や補修の見積もりに残ります。
発注する側の立会いと社内の手続き
発注する側の立会いと社内の手続きは、ドローン点検で減るとは限らず、構内で機体を飛ばすための準備が加わることもあります。石油精製や化学のプラントを対象にした国の「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」は、飛行計画書を作って社内の承認者に出し、承認を受ける流れを望ましいとしました。点検する設備を飛んだことのない点検会社には、プラント事業者が設計図面やこれまでの点検記録を使い、中の突起物や狭い箇所を説明する必要があるとも書かれています。
同じガイドラインは、設備の中のような屋内で飛ばす体制として、操縦者、安全運航管理者、補助者の少なくとも3人を望ましいとしています。見積書の安全管理の行に操縦者とは別の人員が載っていても、余分な人数とは限りません。初めて飛ばす設備では、図面の説明と飛行計画の承認に要る日数も、立会いの費目に書き足してください。
人が入る点検とドローン点検の見積書を並べる手順
人が入る点検とドローン点検の見積書は、次の4つの手順で同じ費目にそろえると、総額で比べられます。
- 前回の点検の見積書と工程表を、4つの費目に振り分ける
- 停止期間の日数と、自社の担当者が立ち会った人数と日数を書き足す
- ドローン点検の見積もりも、同じ4つの費目に分けて出してもらう
- 映像で代えられない厚さの測定などを、ドローン点検の側に別の行で足す
厚さの測定などを足さずに比べると、ドローン点検の側だけ測定の費用が抜けた形になり、差が実際より大きく見えてしまいます。清掃が要りそうな設備では、清掃の費用と日数も両方の見積書に入れて比べてください。清美環は本業がタンクや下水道管の清掃なので、点検の映像に映った堆積や詰まりも、同じ会社で清掃まで引き受けられます。
プラント点検の費用の相談は『フクロウ』へ
見積書のどの費目が自社の設備で減るかを確かめたいときは、管内点検ドローン『フクロウ』を運営する清美環にお問い合わせください。
『フクロウ』は、プラントでは大型タンク(球形・円筒形)やボイラー本体、焼却炉、ピット、ダクト、天井裏などの内部が対象で、プラントの外では下水道管とマンホールも対象です。清美環では、受水槽と貯水槽には機体が落ちたときの衛生上の影響があるため機体を入れておらず、排水管と配水管も対象外としています。機体は持っているものの槽や炉の中を飛ばせる人がいない点検・調査会社は、操縦だけを請け負う操縦委託もご相談ください。
前回の見積書と工程表、設備の図面と開口部の寸法があれば、どの費目が減ってどの費目が残るかをお伝えします。無料相談とお見積りの受付はお問い合わせページで、お急ぎのときはお電話(042-765-4100、平日9時から18時)でもご相談いただけます。
