管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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下水道の立入困難箇所の点検|ドローンが届く条件と引き返す条件

下水道の立入困難箇所の点検|ドローンが届く条件と引き返す条件

下水道管の立入困難箇所にドローンが届くかは、主に、機体を入れる入口があるか、水面の上に機体が飛べる空間が残っているか、機体からの映像が途切れないかで決まります。水位が管の上近くまで上がっている区間や、粉塵や湯気で前が映らない区間では、ドローンも途中で引き返すことになるでしょう。人もTVカメラも入れなかった区間を外注する前に、どの条件で届き、どこで止まるかを知っておくと、発注の範囲と報告の受け取り方を決めやすくなります。

清美環は下水道管の清掃を三十年以上続けてきた会社で、管内点検ドローン『フクロウ』で下水道管やマンホールの調査を請け負ってきました。中部地方では、中規模の下水道管を約100メートルにわたって調査しました。細い排水管や配水管には機体が入らないため、ここで扱うのは機体が入れる太さの下水道管路に限られます。

下水道の立入困難箇所になりやすい区間

この記事で扱う下水道の立入困難箇所は、人が管に入って確かめる潜行目視も、管底を自走するTVカメラでの調査も、そのままでは実施できない区間です。人が入れない理由とカメラが進めない理由は別々なので、分けて整理しておくと、外注先に伝える内容がはっきりするでしょう。

人が入れない区間

潜行目視は、管に入る前に酸素濃度と硫化水素濃度を測り、送風を続け、地上に監視員を置く段取りが済むまで始められません。硫化水素がたまりやすい区間や、水の流れが速く足元を取られる区間では、段取りを整えても人を入れない判断になります。人が通れる太さに満たない管も、潜行目視の対象から外れるでしょう。

TVカメラが進めない区間

管底を自走するタイプのTVカメラは、マンホールとの接続部の段差、急な勾配、高い水位、厚い堆積物があると、その手前で止まることがあります。カメラが水に沈む区間や水が濁っている区間では、管底や継手の状態を映像で判定できません。

国土交通省の「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」が2025年12月にまとめた第3次提言は、点検・調査で「見えなかったところ」「調査ができなかったところ」「診断の結論を出せなかったところ」を関係者間で共有すべきだとしています。同じ提言が求めるのは、事故時の社会的影響が大きい箇所での、特性の異なる調査の組み合わせ。国土交通省の検討資料は、大口径管路や、緊急輸送道路・軌道・河川の下の管路で組み合わせる点検方法の例として、潜行目視や打音調査、空洞調査と並べてドローンによる調査を挙げています。ドローンは、組み合わせる手法の一つという位置づけ。提言は、ドローンのカメラ性能、位置情報の把握、曲線部での飛行の精度を、これから向上させるべき技術的な課題にも挙げています。

ドローンが到達できるかを決める主な三つの条件

ドローンが下水道管の立入困難箇所に到達できるかは、主に、機体を入れる入口、水面より上の飛行空間、途切れない映像の三つで決まります。三つのうち一つでも欠ける区間では、飛べる距離が短くなるか、入ること自体ができません。このほか、管の曲がり、管内の風や水の流れ、機体の飛行時間も、届く距離を左右します。

到達を決める入口・水面・映像の条件

マンホールから管口まで機体を通せる

ドローンは、マンホールの蓋を開けて人孔の中を通し、管口から管路へ入れます。管口が機体より小さい場合や、人孔から管口までの間に機体を通せる空きがない場合は、ドローンは管路に入れません。区間の両端にマンホールがあれば、片側から届かなかった場合に反対側から入り直せます。

水面の上に飛べる空間が残っている

ドローンは管底を走らず、水面より上の空間を飛んで進みます。段差や急勾配、堆積物の上でTVカメラのように止まらないのは、管底に触れずに進めるからでしょう。

条件になるのは、水面から管の上までの高さが、機体の大きさに対して残っていることです。同じ管でも、流量は時間帯や雨の後で変わってきます。流量が少ない時間帯を選ぶと飛べる空間が広がり、到達できる距離も伸びるでしょう。

機体からの映像が途切れない

管の中はGPSの電波が届かず暗いため、オペレーターは主に機体から送られてくる映像を見て操縦します(FPVと呼ばれる操縦方法)。ELIOS 3は、機体に積んだレーザーセンサーで周りの3D地図を作り、操縦画面に映し出します。映像が途切れた先へは進めないので、映像が安定して届く範囲が、到達できる範囲の目安になります。ELIOS 3は、映像が途切れると来た経路を自動で戻り、映像がつながる所まで引き返す機能も搭載。映像の届き方は管の曲がりや区間の長さで変わるため、到達できる距離は、現場ごとに映像の届き具合を確かめて見極めます。

機体の飛行時間にも上限があります。メーカーの公表値は、IBIS2が最大11分、ELIOS 3が最大12分ほどで、ELIOS 3は積む機器によって短くなる傾向。戻ってくる時間も含めて、一回の飛行で届く距離が決まります。

ドローンでも引き返す区間

ドローンが下水道管の途中で引き返すのは、飛ぶ空間、視界、映像のどれかが失われたときです。無理に進むと機体が壁や水面に触れて落ち、管の中で回収できなくなるおそれがあるため、引き返す地点を見極めることも調査に含まれる作業。

到達範囲と引き返しの位置関係
  • 水位が管の上近くまで上がっている 水面と管の上との間に、機体が通る高さが残っていない
  • 前が映らない 粉塵や湯気で照明が反射し、壁との距離を映像から読み取れない
  • 映像が乱れる、途切れる 映像を頼りに操縦しているため、乱れた地点から先へは進まない
  • 管をふさぐ障害物がある 垂れ下がった木の根や、管の断面の大半を埋める堆積物で、機体が通る隙間がない

引き返した区間が報告書で「異状なし」と書かれていないか、発注側は確かめてください。引き返した地点と理由が記録されていれば、次にどの方法で見に行くかを決められます。

引き返した区間をもう一度見に行く方法

引き返した区間を見に行く方法は、引き返した理由によって変わります。

  • 水位が理由なら、流量が少ない時間帯や、晴天が続いた日に飛び直す
  • 堆積物が理由なら、清掃で取り除いてから飛び直す
  • 区間が長く映像が届かないなら、反対側のマンホールから入り、両側から撮って区間をつなぐ。両側から撮っても間に届かない部分が残った場合は、その範囲を報告書に記す

清美環は管清掃が本業なので、堆積物で引き返した区間は、清掃から撮り直しまで一括でお引き受けできます。点検会社と清掃会社を別々に手配して、映像の説明をし直す必要はありません。

人もTVカメラも入れなかった区間にドローンが届くかは、口径と管種、マンホールの位置図、止まった地点の記録があれば、現地に行く前の段階で見立てをお伝えできます。届くかどうかは、現地で水位や映像の届き具合を確かめたうえで確定します。近い条件の事例をもとにお答えしますので、無料相談・お見積りはお問い合わせページからご連絡ください。

IBIS2とELIOS 3を選び分ける条件

清美環は、非GPS環境に特化した小型のIBIS2と、球体のガードで機体を囲ったELIOS 3の2機体を、管の太さと障害物の多さで選び分けています。口径が細めで入り組んだ管や、管口が小さい区間では、小型のIBIS2を選びました。IBIS2は機体が20cm×20cmで、直径50cmの配管の中も飛べるとメーカーが公表しています。

壁や障害物に触れる可能性が高い区間では、ELIOS 3のガードが機体を守り、触れても飛行を続けやすくなります。どちらの機体が向くかは、管の口径と、過去の調査で分かっている段差や堆積の位置から判断。図面と過去の調査記録を先に見せていただけると、機体の選定が早く進むでしょう。

ドローンの対象にしない管と設備

清美環が管内点検ドローン『フクロウ』を入れないのは、宅内の排水管、水道の配水管、受水槽と貯水槽です。排水管と配水管は機体が入らない細さで、受水槽と貯水槽は機体が落ちたときに飲み水の衛生に影響が出るため、対象から外しました。

下水道管とマンホールのほかに、焼却炉、大型タンク、ボイラー本体、ピット内、ダクト内、天井裏、プラントの設備内部も、人が入りたくない閉鎖空間として調査を引き受けてきました。

発注前にそろえたい五つの情報

下水道管の立入困難箇所をドローン点検に出すときは、次の五つを発注前に委託先へ渡してください。到達できるかの見立てと機体の選定が、現地調査の前に進みます。

  • 管の口径と管種、区間の延長 機体が入れるか、どちらの機体を使うかを決める材料になる
  • マンホールの位置図 どのマンホールから入り、反対側から入り直せるかを決める
  • 水位の変わり方 流量が少ない時間帯と、雨の後に水位がどれだけ上がるか
  • 過去に止まった地点 潜行目視やTVカメラ調査で進めなかった地点と、その理由
  • マンホールを開ける手続き 道路上での作業の許可と、酸素濃度・硫化水素濃度の測定を誰が行うか

とりわけ役に立つのが、過去に止まった地点の記録です。TVカメラが段差で止まった区間なのか、水位で映らなかった区間なのかが分かれば、ドローンで届くかを図面の段階で見立てられ、現地で飛ばしてから届かないと分かる日を減らせるでしょう。

立入困難箇所の点検を『フクロウ』に相談する

下水道の立入困難箇所は、機体を入れる入口があり、水面の上に飛べる空間が残り、映像が途切れない区間であれば、ドローンで点検できる見込みがあります。水位や視界、映像が失われた地点で引き返した区間も、時間帯を変える、清掃してから飛び直す、反対側から入り直すといった方法で、もう一度見に行けるでしょう。

清美環は、非GPSの管内を機体からの映像を頼りに飛ばすオペレーターと二種類の機体に加えて、三十年の管清掃で得た管内の知見をもって調査に入り、ドローンを保有していて管内を飛ばせない点検・調査会社からの操縦委託も、操縦委託のお問い合わせから受け付けています。

費用は区間の延長と管の太さ、水位や堆積の状態で変わるため、近い事例をもとにお見積りします。無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でご連絡ください。

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