管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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点検方法をドローンと比較|タンクや煙突など設備ごとに変わる決め手

点検方法をドローンと比較|タンクや煙突など設備ごとに変わる決め手

「ドローンと従来の点検方法を比べて、優れているほうに切り替えたい」。屋根や橋梁の点検では、足場を組まずに高い場所を撮れることがドローンの利点として語られるため、設備の内部でも同じ比べ方で答えが出そうに見えます。ところが設備の内部では、同じドローンでも水が管の上端近くまで満ちた区間には入れず、壁を叩いて浮きを確かめる打音もできません。どの方法が向くかは方法の優劣では決まらず、開口部の大きさや水位、設備を止められる日数といった現場の条件で変わるのです。

清美環は下水道管やタンクの清掃を三十年以上続け、いまは管内点検ドローン『フクロウ』で設備の内部の点検も引き受けています。タンクや煙突、下水道管、ピットといった現場ごとに、どの方法が向き、何が決め手になるのかをお伝えしましょう。

ドローンを含む4種類の点検方法

設備の内部を点検する方法は大きく4種類あり、対象にどこまで近づけるかと、どんな条件で使えなくなるかが方法ごとに違います。

人が入る目視

人が入る目視は、作業員が設備の中に入り、内壁のひび割れや腐食を自分の目で確かめる方法です。ハンマーで叩いた音で浮きを探る打音や、厚みの測定、付着物の採取までその場で行えるのが、人が入る目視の強みでしょう。

し尿や汚水など腐敗しやすいものを入れている、または入れたことのあるタンクや槽、管、マンホール、ピットなどの内部は、労働安全衛生法施行令の別表第6に挙げられた酸素欠乏危険場所にあたります。こうした場所に人を入れるには、設備を止めて中身を抜き、換気して酸素や有害ガスの濃度を測り、外に監視の人を置く段取りが要ります。別表第6の場所で人が作業する日は、酸素欠乏症等防止規則にもとづき、作業を始める前に酸素などの濃度を測り、原則として換気しなければなりません。

足場やゴンドラ

足場やゴンドラは、内部に組んだ足場や吊り下げたゴンドラに作業員が乗り、高い位置の内壁へ手の届く距離まで近づく方法です。煙突や大型タンクの上部でも、床の近くと同じように目視と打音を行えるようになります。

足場を使う場合は、搬入と組み立て、点検後の解体にかかる日数も、設備を止めておく期間として見込むことになるでしょう。

走行式のTVカメラ

走行式のTVカメラは、車輪やクローラで管底を進みながら内壁を撮る機械で、下水道管の調査で長く使われてきました。ケーブルで地上とつながっているため、長い区間でも途中で機械を回収せずに撮り続けられます。

管の接続部の段差や厚い堆積では、走行式のカメラが止まることがあり、水深が増えるとレンズが水につかって内壁が見えにくくなります。多くの機種は管底を進む前提で作られているので、槽の上部や煙突の内壁のような高さのある面には向きません。

ドローン

ドローンは、点検口やマンホールから機体を入れ、内部を飛びながら撮影する方法です。足場を組まずに煙突やタンクの上部まで上がれ、管底に水や堆積が残る区間でも、上に機体の通れる空間があれば先へ進める場合があります。

設備の中にはGPSの電波が届かないため、操縦者が機体のカメラ映像を見ながら位置を保ち、ELIOS 3のようにLiDAR(レーザーで距離を測るセンサー)で壁までの距離を測って位置の把握を補う機体も使われてきました。

一方で、ドローンでは壁を叩く打音や厚みの測定ができず、見つけた不具合をその場で直す応急処置もできません。一度に飛べる距離は、電池の持ち時間と、進入口から電波が届く範囲で決まります。

点検方法の向き不向きを分ける5つの条件

点検方法の向き不向きは、設備の次の5つの条件で決まり、合わない条件が多い方法は向きません。

タンク・煙突・下水道管・ピットの断面と機体の入口
  • 開口と内部の広さ:機体が入れるかは外形ぎりぎりの寸法では判断できず、機種ごとに公表されている最小の管径や開口部の寸法を下回る設備には入れません。
  • 高さや区画の形:高さのある設備ほど足場は大がかりになり、区画や曲がりが多いほど、ドローンが進入口から一度に届く範囲は短くなります。
  • 水位と堆積:走行式のカメラは水深や堆積で進めなくなることがあり、ドローンは水面や堆積の上に機体の通れる空間が残っていなければ入れません。
  • 可燃性ガス:ELIOS 3は防爆仕様ではなく、メーカーは可燃性・爆発性の物質がある、またはそのおそれのある場所では飛ばさないよう定めています。可燃性ガスのおそれがある設備は、換気とガス検知で可燃性ガスがないことを確かめてからでなければ、機体を入れられません。
  • 止められる日数:設備を止めて点検に充てられる日数が短いほど、足場の組み立てと解体や、人が入る前の換気とガス測定に日数を割けません。

タンク内部で向く方法と決め手

タンク内部の点検で方法を分けるのは、板の厚みを測ったり溶接部の割れを細かく確かめたりしたいのか、腐食や塗装のはがれを面として広く見たいのか、という目的の違いです。

近づいて測る確認が要るなら、中身を抜いて人が入る目視になり、大型タンクの上部まで近づくには足場かゴンドラを組むことになります。腐食の広がりや底の沈殿物の量を見て、測るべき箇所を絞りたい段階なら、マンホールから機体を入れ、足場なしで上部の壁まで撮る方法が候補に入るでしょう。

タンクでの決め手は、上部の壁まで近づいて測る必要があるかどうかです。測る必要がなく、マンホールから機体が入れるタンクであれば、ドローンで撮って足場の日数を省き、停止期間を短くできる場合があります。

タンク内の目視点検と開放点検について、ドローンで調べられる範囲は別の記事で扱いました。

煙突の内部で向く方法と決め手

煙突の内部で方法を分けるのは、内張りに手の届く距離まで近づく必要があるかと、炉を止めて内部が冷めるまでを含めた停止期間をどれだけ取れるかです。

内張りの耐火物を叩いて浮きを確かめる、厚みを測るといった確認が要るなら、足場やロープで人が内壁に近づく方法になり、仮設の日数が停止期間に加わるのは避けられません。

内張りのはがれや目地の傷み、煤の付き方を下から上まで見て、補修を検討する箇所を絞りたい段階なら、点検口から機体を入れ、上へ飛びながら撮る方法が候補に入ります。

煙突に関わる法令の範囲と内部を調べる方法は、煙突点検を扱った記事にまとめました。

下水道管の管内で向く方法と決め手

下水道管の管内で方法を分けるのは、調べる時間帯の水位と、マンホールから見たい区間までの距離です。

水面の上の空間を飛ぶ機体と堆積で止まる走行カメラ

水が少なく堆積の薄い区間を長く続けて記録するなら、走行式のTVカメラが向いています。作業員が管に入る潜行目視は、大口径の管で、近づいて叩いたり測ったりする確認が要る場面で選ばれてきました。

段差や堆積で走行式のカメラが止まった区間でも、水面や堆積の上に空間が残り、機体が入れる口径であれば、ドローンで先を確かめられる場合があります。ただし、ドローンが一度に進めるのは電波が届いて電池が持つ範囲までなので、曲がりが続く区間や長い区間は、マンホールを移りながら区切って飛ぶしかありません。管内での決め手は、調べる時間帯に水面の上へ機体の通れる空間が残るかです。

堆積で空間が塞がった区間は、清美環が本業の清掃で堆積を取り除くこともできます。下水道管に限った点検方法の比較は下水道管の点検方法を比べた記事を、区間ごとに機械を割り振る手順は点検ロボットとドローンの違いを扱った記事をご覧ください。

ピットで向く方法と決め手

ピットで方法を分けるのは、区画の数と、区画どうしをつなぐ開口の大きさです。

区画が少なく、見たい箇所が点検口の近くに収まるなら、段取りを整えて人が入る目視で足りるでしょう。梁で細かく仕切られて区画が多いピットでは、奥の区画まで人が移動する距離が長くなります。汚水を受けるピットに人が入るなら、別表第6の酸素欠乏危険場所として、作業前の測定と換気も欠かせません。

区画をつなぐ開口を機体が通れれば、ドローンで奥の区画まで映像を持ち帰れます。奥へ進むほど進入口からの電波が届きにくくなるため、点検口を移りながら区画ごとに飛ぶ計画になるでしょう。ピットでの決め手は、区画をつなぐ開口を機体が通れるかです。地下ピットに機体を入れるかの見極め方は、ピット内点検を扱った記事でお伝えしています。

自分の設備でどの方法を選べばよいか判断がつかないときは、点検口の寸法と内部の写真、見たい箇所をお送りください。ドローンで調べられるかをお答えします。管内点検とタンク点検の無料相談・お見積りは、お問い合わせページからお寄せください。

清美環が点検する設備と依頼できる範囲

清美環が機体を入れる対象は、下水道管やマンホール、大型タンク、焼却炉、ボイラー本体、ピットなど、人が入りにくい閉鎖空間の内部です。飲み水をためる受水槽と貯水槽は、万一の落下で水の衛生を損なうおそれがあるため、機体を入れる対象から外しています。排水管と配水管も、清美環では機体を入れる対象に含めていません。

清美環が引き受けるのは、映像による点検調査と、点検で見つけた堆積や詰まりの清掃までです。補修や設計、法令で定められた検査の代行は行っていません。

調査は2段階に分け、最初のスクリーニング調査で設備の全体を撮って異状の疑われる箇所を拾い出し、本格調査ではその箇所だけを時間をかけて撮ります。調査の結果は、映像と報告書のデータでお渡しします。機体は1種類ではありません。非GPS環境向けの小型機IBIS2と、球体のガードで囲ったELIOS 3を、開口部の大きさや内部の部材の多さに合わせて使い分けます。

暗く壁の近い空間で機体を進める操作は屋外の空撮と勝手が違い、清美環では専任のオペレーターが操縦を受け持ちます。

まとめ|点検方法は設備の条件で選ぶ

点検方法の向き不向きは、方法どうしの優劣では決まらず、開口の広さや水位、可燃性ガスのおそれ、設備を止められる日数といった条件で入れ替わります。発注の前に設備の条件を書き出しておけば、どの方法で調べるかを業者と同じ前提で話し合えるでしょう。

清美環は創業から三十年以上、下水道管の清掃や排水処理施設の維持管理、タンク清掃を本業にしてきました。管内点検ドローン『フクロウ』の調査は、機体を入れられるかどうかの判断からお引き受けしています。機体はあるものの設備の中で飛ばせる操縦者がいない点検・調査会社は、操縦委託の窓口からご相談ください。

対象の設備と点検口の寸法、内部の高さや水位、止められる日数をお聞かせいただければ、どの方法で調べるかをご提案します。無料相談とお見積りの依頼はお問い合わせページで受け付けており、お電話(042-765-4100、平日9時から18時)でもご相談いただけます。

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