管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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管渠とは何か|管きょ・下水道管きょの意味と種類、点検までの実務

管渠とは何か|管きょ・下水道管きょの意味と種類、点検までの実務

「管渠」という二文字を、読み方から調べ始めた方もいるかもしれません。かんきょ、と読みます。国や自治体の資料では「管きょ」とひらがなを交ぜて書かれ、下水道の分野では「下水道管きょ」と呼ばれてきました。同じものを指しているのに表記が三通りあるため、検索するたびに違う書き方に行き当たって戸惑う言葉でもあります。

用語集や辞典を開けば、管渠とは水路の総称という一行で片づいてしまいます。けれども実務で管渠に関わる方が知りたいのは、その先ではないでしょうか。どんな種類があり、どういう構造で地中に収まっていて、古くなると内側で何が起き、それを確かめるにはどんな手段があるのか。下水道管や排水管の清掃を三十年以上続けてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』で実際に管の中を飛ばしている立場から、用語の整理から点検の実務まで順に見ていきましょう。

管渠とは何か、管きょ・下水道管きょと表記が分かれる理由

管渠とは、給水や排水を目的としてつくられた水路全体を指す総称です。上水を送る管も、汚水や雨水を流す管も、道路脇の側溝も、水を通す構造物であればまとめてこう呼びます。特定の一本を指す言葉ではなく、水路というカテゴリーそのものの名前だと考えると輪郭がつかみやすくなるでしょう。

表記が揺れている理由は、漢字の側にありました。「渠」は常用漢字表に含まれないため、公文書では「管きょ」と交ぜ書きされます。下水道の分野で「下水道管きょ」という書き方が定着しているのも同じ事情によるもの。一方、民間の技術資料や辞典では「管渠」と漢字のまま書かれることが多く、どちらも読みは「かんきょ」で意味に差はありません。管きょとは何かを調べていて表記の違いに引っかかったのなら、その点は気にせず読み進めて差し支えないはずです。

管渠と管路、側溝はどう違うのか

近い言葉が並ぶので、境目を整理しておきます。管路は、管そのものと管どうしのつながり方に重心を置いた呼び方でした。ポンプ場や処理場までの経路として語られる場面が多く、管渠と管路の違いという問いが繰り返し検索されるのも、両者が重なり合いながら少しずつ視点をずらしているからでしょう。

側溝は道路脇に設けられた浅い水路で、管渠という総称の内側に含まれます。溝渠(こうきょ)は溝の形をした水路を指し、これも管渠の一種。つまり側溝や溝渠は管渠の下位分類にあたり、対になって並ぶ言葉ではありません。

管渠と暗渠は対立する概念ではない

暗渠と管渠の違いという問いも、同じ構図で解けます。暗渠は蓋をされて地中に隠れた水路、開渠は上部が開いたままの水路。どちらも管渠という総称に含まれる「形の名前」であり、管渠は開渠と暗渠をまとめた上位の言葉だと押さえておけば、たいていの資料は読み解けます。

ややこしいのは、農地や住宅の庭で使われる「暗渠排水」が、下水道の暗渠とはまったく別の文脈で語られる点でした。あちらは地中に埋めた有孔管で土の中の水を抜く工法を指しており、下水道の管渠とは目的も規模も違います。同じ字が使われていても別の話題だと切り分けてください。

管渠の種類は、四つの軸で分けると整理できる

管渠の分類は、切り口を変えれば何通りにもなります。実務で使われるのは、形状、材質、設置方法、そして何を流すかという四つの軸でした。

形と材質による分け方

形状の代表は、円形管渠と矩形管渠です。円形は土圧や水圧を周囲から均等に受け止められるため、埋設される管の多くがこの断面を採っています。矩形は同じ土かぶりでも断面積を稼ぎやすく、大きな流量を扱う幹線や、浅い位置に収めなければならない区間で選ばれてきました。

材質では、鉄筋コンクリート管、塩化ビニル管、陶管がよく登場します。鉄筋コンクリート管は強度が高く大口径に向き、塩化ビニル管は軽くて腐食に強く、陶管は古くから使われてきた材料で耐薬品性に優れました。布設年代によって材質が変わるため、古い路線ほど陶管やコンクリート管に当たります。

設置方法と、流すものによる分け方

つくり方でも呼び分けられます。地表から掘り下げて管を敷き、埋め戻す開削管渠。地中を掘り進みながら管を押し込んでいく推進管渠。シールドマシンでトンネルを掘って構築するシールド管渠。道路を掘り返せない場所や深い位置には、掘らない工法が選ばれます。

そして機能による分類が、汚水管渠、雨水管渠、合流式管渠の三つ。汚水管渠は家庭や工場から出た汚水を処理場へ運び、雨水管渠は降った雨を河川や海へ排除します。合流式管渠は両方を一本でまかなう方式で、早くから下水道を整備した市街地に多く残りました。汚水管渠という語が単独で検索されるのも、設計と維持管理の現場で汚水系と雨水系を分けて扱う必要があるからでしょう。

下水道管きょはどう埋まっているのか、枝線から処理場までの流れ

管渠を一本の管として眺めているうちは、下水道の全体像がつかめません。各戸から出た汚水は細い枝線に入り、太い幹線へ集まり、流域下水道の幹線を経て処理場へ届きます。途中で高低差が足りなくなれば中継ポンプ場が水を持ち上げ、そこから先はふたたび自然の勾配で流れていく。この積み重ねが、管渠施設と呼ばれるものの実体でした。

枝線から処理場までの管渠の全体像

国土交通省は下水道を、市町村が管理する公共下水道、複数の市町村にまたがる流域下水道、雨水の排除を目的とした都市下水路に分けています。管理者が違えば点検の予算も体制も変わるため、関わる管渠がどの区分に属するのかは早い段階で確かめておきたいところ。

マンホールと伏越し管きょ

管渠の途中には、一定の間隔でマンホール(人孔)が設けられます。点検や清掃の入口であり、管の方向や勾配が変わる地点でもあり、管渠と一体で設計された施設でした。フクロウの調査でも、機体を入れる開口部としてまず確認するのがこのマンホールです。

河川や地下鉄をまたぐ区間では、伏越し管きょという構造が使われます。障害物の下を一度くぐらせ、また元の高さへ戻す形。内部が満水のまま流れるため、砂や汚泥がたまりやすく、機材も入りにくい区間として知られてきました。

管渠の老朽化は、内側のどこから始まるのか

管渠は埋まってしまえば外から見えません。地表に異変が現れるころには、内部の劣化がかなり進んでいるというのが通例でした。では、管の中では何が起きているのでしょうか。

下水道管渠でまず問題になるのが、硫化水素による腐食です。汚水に含まれる硫酸塩が酸素の乏しい状態で還元されて硫化水素が発生し、それが管の上部で酸化されて硫酸に変わり、コンクリートを侵していきます。管の底ではなく管頂部から痩せていく劣化は、この過程で生じたもの。流れが淀む区間や落差のある地点ほど進みやすい傾向がありました。

継ぎ手のずれと、そこから始まる土砂の流入も見逃せません。管がわずかにずれると、隙間から周囲の土砂が管の中へ吸い込まれ、地中に空洞が育っていきます。管の破損そのものより、育った空洞が路面の陥没につながることのほうが、社会的な影響としては大きいでしょう。

三つめが堆積。勾配の緩い区間、屈曲部、そして先に触れた伏越しの底には、汚泥や砂が積もって流下能力を落とします。ひび割れのような「壊れ」ではないため補修工事の対象にはなりませんが、放っておけば詰まりに育つ厄介な劣化でした。

管渠の内側を確かめる手段と、届かなくなる区間

中を見る方法として長く標準だったのが、テレビカメラ調査です。自走式のカメラを管底に走らせ、ひび割れ、継ぎ手のずれ、堆積の分布を連続した映像として記録していきます。人が入れる口径であれば、管内に潜って目視で確認する調査も行われてきました。

テレビカメラとドローンの点検範囲の違い

ただ、どちらの手段にも届かない区間が残ります。管底を走る機材は落差のある接続部で止まり、急勾配では自重で滑り、水位が高ければレンズが水に洗われて映像が濁りました。人が潜る調査には酸素欠乏や硫化水素の危険がつきまとうため、事前の濃度測定、換気、監視員の配置といった段取りが欠かせません。段取りを整えても、条件によっては入らないと判断される現場があります。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』が受け持つのは、まさにこうした「カメラが止まり、人を入れたくない」区間でした。飛んで進むため管底の状態に左右されず、段差を越えていけますし、水面が残っていてもその上の空間から内壁を撮影できます。進め方は二段構えで、まず対象の全体を広く飛んで異状の疑いを絞り込むスクリーニング調査を行い、要注意と判断した区間だけを本格調査で詰めていきます。当社の実績による目安では、スクリーニング調査で通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調べられました。映像と報告書はデータで納品しており、更新計画の資料としてそのまま使えます。

なお、機体が入れる管渠には条件があります。人が通れる程度の口径がある下水道管やマンホール、大型タンク、焼却炉、ボイラー、ピット、ダクトの内部が対象で、宅内の排水管や配水管のように口径の小さい管には物理的に入りません。受水槽や貯水槽も衛生上の理由から対象外としています。自社の管渠が条件に合うかどうかは、口径と延長、内部の水位が分かれば早い段階で判断できますので、近い条件の事例をもとにお答えします。無料相談とお見積りはお問い合わせページからお気軽にどうぞ。お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承っております。

管渠の中から出てくるのは、ひび割れだけではない

調査を外注するときに見落とされがちなのが、結果が出たあとの段取りでした。管渠の内部から見つかるものは、補修を要する損傷ばかりではありません。汚泥の堆積、油脂の固着、樹木の根の侵入、投げ込まれた異物。これらは工事ではなく、清掃で対処する対象です。

ここで調査と清掃の担い手が分かれていると、対処までにもう一段の手間が挟まります。映像を渡し、管渠の状況を一から伝え直し、日程を取り直す。清美環は本業として下水道管・排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃を三十年以上手がけてきた会社ですから、点検で堆積や詰まりを見つけたら、そのまま清掃まで引き受けられます。

清掃の経験は、映像の読み方そのものにも効いてきました。管内に映った堆積物が、洗浄すれば流れる汚れなのか、それとも管の破損によって土砂が入り込んだものなのか。硫化水素が滞留しやすいのはどんな形状の区間か。長く管の中を見てきた感覚が、判断の速さと確かさを支えています。

管渠でいえば、中部地方の中規模下水道管を約100メートル分、フクロウで見てきました。関西の薬品タンク内部、北陸の焼却炉の煙突を高さ約30メートル分も、同じ進め方です。

管渠の点検と清掃について『フクロウ』へご相談ください

管渠は開渠も暗渠も溝渠も含んだ水路の総称であり、公文書では「管きょ」、下水道の分野では「下水道管きょ」と書かれます。形状、材質、設置方法、流すものという四つの軸で分類され、枝線と幹線、マンホール、伏越しといった要素が組み合わさって一つの施設を形づくっている。用語として押さえておきたい範囲は、おおむねここまででしょう。

そこから先、実務の関心は、埋まって見えない管渠の中をどう確かめ、見つかったものにどう手を打つかへ移ります。清美環では、衛星の電波が届かない暗所を映像だけで操縦できるオペレーターと、小型のIBIS2および球体ガードを備えたELIOS 3という二種類の機体で、下水道管やマンホール、焼却炉、大型タンク、ボイラー、ピット、ダクトといった閉鎖空間の調査をお引き受けしてきました。すでに機体を保有していて管内を飛ばせないという点検・調査会社からの操縦委託にも対応してきました。

対象設備と口径、延長、これまでの調査履歴をお聞かせいただければ、近い事例をもとに進め方を具体的にご提案します。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、操縦委託のご相談も同じ窓口で承ります。お急ぎでしたら、お電話(042-765-4100/平日9時から18時)へご連絡ください。

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