全国特別重点調査は、国土交通省が令和7年3月に自治体へ要請した下水道管路の調査で、対象は管径2メートル以上かつ設置や改築から30年以上たった管路です。令和8年6月末の時点で、対象5,332キロメートルのうち5,209キロメートルの緊急度判定が済み、国は残る区間の調査と判定を速やかに進めるよう自治体に求めています。自治体からこの調査を受託した管路管理会社が、調査の一部を外部へ任せるなら、委託先を決める前に確かめたいことは次の3つ。自社が受けた区間のどこに委託先の機材が届くか、発注仕様書が求める記録を満たす報告が納品されるか、見つかった堆積や詰まりを清掃まで一括で頼めるか。どれかが合わないと、委託した区間を自社で調べ直すことになりかねません。
清美環は下水道管の清掃を三十年以上続けてきた会社で、管内点検ドローン『フクロウ』で下水道管やタンク、煙突の内部を調査しています。中部地方で中規模の下水道管を約100メートル調査したほか、関西では薬品タンクの内部、北陸では焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって調べてきました。首都圏を中心に、全国の現場へ出向いています。
特別重点調査のどこを外部に任せるか
特別重点調査のうち、管内点検ドローンに任せられるのは管の内側を映像で確かめる管路内調査の部分です。国が示す調査の流れは、人が管に入って見る潜行目視、またはドローンやテレビカメラで管路内を調べ、その結果から緊急度を判定し、緊急度がⅠかⅡと判定された箇所で空洞調査を行うというもの。埼玉県八潮市の陥没現場に似た条件の箇所などの優先実施箇所では、緊急度がⅠやⅡに至らなくても打音調査などで詳しく調べます。打音調査と空洞調査はドローンの映像では代えられないため、別の手段が要ります。

潜行目視を予定していた大きな管をドローンで撮るなら、人が管の中に入る工程を省ける場合もあるでしょう。ただし、人が管に入らなくても、マンホールの蓋を開けて機体を出し入れする作業は残ります。酸素濃度と硫化水素の測定、換気、監視人の配置をどこまで行うかは、作業の場所と内容で酸素欠乏症等防止規則がかかるかどうかが決まるため、元請けの安全計画と酸素欠乏危険作業主任者に確かめてください。
管内調査のうち外部へ出す区間は、自社の機材が止まる場所から決めていきます。TVカメラ調査の機材は管底を走るので、段差のある接続部や急な勾配、水位の高い区間では進めなくなることがありました。人員が足りずに回りきらない区間なら調べる速さ、機材が進めない区間なら到達できる条件が、委託先を選ぶ基準になります。
自治体から受けた業務の一部を外部へ出すときは、発注元との契約書で再委託に承諾が要るかを先に確かめてください。
委託先に確かめる3点
委託先に確かめるのは、機体が届く管の条件、発注元へ出せる報告の形、清掃まで一括で頼めるかの3点です。

機体が届く管の条件
管内点検ドローンが届くかどうかは、管の口径、管の上部に残る空間、マンホールの開口の広さで決まり、清美環では宅内の排水管や水道の配水管を対象外にしてTVカメラや内視鏡で調べる領分としています。飛んで進む機体は段差や急勾配で止まりにくい一方、水位が管の上部近くまで上がる区間では飛ぶ空間がなくなるため、雨の後に水位が上がる管路では調べられる時間帯が限られるでしょう。
管の中には衛星の電波が届きません。ELIOS 3のようにLiDARとカメラで周りの壁を捉えて機体を安定させる機種もありますが、位置を保つ助けがどこまで効くかは機種と管内の暗さや形によって変わり、オペレーターは送られてくる映像で壁との距離を確かめながら進めます。委託先には、下水道管の中を飛ばした実績を口径と距離で聞いてください。
発注元へ出せる報告の形
報告の形で確かめるのは、発注仕様書が求める調査記録と診断項目、異状の位置の示し方を満たしているかです。全国特別重点調査の緊急度判定は、腐食、たるみ、破損をそれぞれAからCの3段階で評価して行うため、区間ごとにこの3項目の所見が記録されるかを見てください。映像だけが届くと、管路管理会社が映像を見直して所見を書き起こすことになり、委託で省けたはずの手間が戻ってきます。
衛星で位置を測れない管内では、異状の位置を上流のマンホールからの距離などでどう示すかが、報告書によって違ってきました。発注前に報告書の見本を取り寄せ、自社が発注元へ出す様式に書き写せるかを見てください。どの異状をどの程度から所見に載せるかも、仕様書が定める診断項目と判定基準に合わせて事前にそろえておきます。発注仕様書で調査方法がTVカメラ調査や潜行目視と決められている場合は、ドローンの映像で代えてよいかを発注元に確かめてから委託先を決めましょう。
清掃まで一括で頼めるか
清掃まで一括で頼めるかは、堆積物の多い管路ほど調査の日数に響きます。汚泥や土砂が管底にたまった区間では、映像を撮っても堆積の下のひび割れや継ぎ手のずれは見えません。点検だけの会社に任せると清掃会社を別に手配することになり、堆積の下まで確かめる必要があれば、清掃の後にもう一度撮影に入ります。
清美環は本業が管の清掃なので、点検で見つけた堆積や詰まりをそのまま清掃まで引き受けられます。見積りの段階で、堆積が見つかったときに清掃を同じ発注に含められるか、清掃後の撮り直しが含まれるかを聞いておけば、後から工程が増えません。
対象区間が長いときの進め方
清美環のドローン点検は、対象の全体を先に飛んで異状が疑われる区間をふるい分けるスクリーニング調査と、絞った区間を詳しく見る本格調査の2段階で進めます。当社の実績では、スクリーニング調査で通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調べられました。倍率は当社実績による目安で、口径や水位、堆積の量によって変わります。
スクリーニング調査で詳しく見る必要のない区間を先に外せれば、自社のTVカメラ機材と人員は、緊急度が高そうな区間の詳しい調査に回せるでしょう。スクリーニングの映像を調査結果としてそのまま発注元へ出せるかは、発注仕様書が求める記録の細かさで決まります。
対象区間の延長と口径、マンホールの数、調査の期限をお聞かせいただければ、どの区間をドローンに任せられるかを区間ごとにお答えします。管内点検ドローン『フクロウ』への無料相談・お見積りのご依頼は、お問い合わせページからお寄せください。
見積りの前に委託先へ渡す情報
見積りの前に委託先へ渡すと話が早いのは、次の5つの情報です。ドローン点検の費用と日数は現場の規模と条件で変わり、条件が分からないまま出た見積りは、現場に入ってから動きかねません。
- 対象区間の一覧 管路図と、区間ごとの口径・延長・管の種類
- マンホールの位置 蓋を開けられる時間帯と、道路上で交通規制が要るかどうか
- 過去の調査記録 これまでのTVカメラ調査の映像と、機材が止まった箇所
- 管内の環境 雨の後や時間帯による水位の変わり方と、硫化水素の測定記録
- 提出の条件 発注元への提出期限と、報告書の様式
とりわけ見積りを左右するのが、過去に機材が止まった箇所の記録です。止まった理由が段差か水位か堆積かによって、飛ばせるかどうかも、清掃が要るかどうかも変わってきました。
自社のドローンを飛ばせない場合の操縦委託
管内点検用のドローンをすでに持っている管路管理会社なら、機体は自社のものを使い、操縦だけを外部に頼む方法もあります。清美環は、非GPSの暗い管内を飛ばしてきたオペレーターを、点検・調査会社からの依頼に応じて出してきました。
特別重点調査の委託先に迷ったら『フクロウ』へ
特別重点調査で受託した区間のどこを外部へ任せるかは、自社の機材が止まる区間と、人員が足りずに回りきらない区間を分けて考えると決めやすくなります。そのうえで委託先には、機体が届く管の条件、発注元へ出せる報告の形、清掃まで一括で頼めるかの3点を、区間の一覧を渡して確かめてください。
清美環は、非GPSの管内を飛ばすオペレーターと、小型で非GPS環境向けのIBIS2、球体のガードで囲ったELIOS 3の2機体を現場の条件で使い分けています。点検の映像と報告書はデータで納品し、見つかった堆積や詰まりは三十年の管清掃の経験でそのまま清掃まで引き受けてきました。
管内点検ドローン『フクロウ』への無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。ドローンの操縦だけのご相談は操縦委託のお問い合わせからお寄せください。
