管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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下水道のスクリーニング調査とは|本格調査との使い分けと進め方

下水道のスクリーニング調査とは|本格調査との使い分けと進め方

「下水道 スクリーニング調査」で検索すると、上位には官公庁の報告書や研究機関の論文PDFが並びます。定義や統計は載っているものの、自分の管理する路線でいつスクリーニングを挟むのか、どこから本格調査へ切り替えるのかという実務の判断までは書かれていません。

この記事では、スクリーニング調査を「調査量を絞り込むための一段目」として位置づけ直し、二段階運用の具体的な進め方をお伝えします。下水道管や排水管の清掃を三十年以上続けてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』で実際に管の中を飛ばし、ふるい分けをしている立場から書きました。

スクリーニング調査とは、全区間を精査しないための一段目

スクリーニング調査は、管路の全区間を同じ精度で調べる代わりに、まず広く浅く当たりをつけ、異状が疑われる箇所だけを次の精密調査へ送る進め方を指します。医療の検診で異常の疑いがある人を二次検査へ回す流れと、考え方は同じでした。

では、なぜ最初から精密に調べないのでしょうか。理由は費用でも手間でもなく、量です。自治体が管理する管路は総延長で数十キロから数百キロに及び、これを一律に本格調査へかければ、予算年度をいくつ重ねても終わりません。限られた時間と人員を、危険度の高い区間へ集中させる。その配分を決めるための材料を集める工程が、スクリーニング調査にあたります。

ここで押さえておきたいのは、スクリーニングの目的が「劣化度の確定」ではないという点でしょう。一段目で出したいのは、詳しく見るべき区間はどこかという順位づけです。ひび割れの幅を何ミリまで測るか、継ぎ手のずれを何段階で判定するかといった精度の話は、二段目に譲って構いません。目的を取り違えると、一段目で精密調査と同じ手間をかけてしまい、絞り込みの利点が消えてしまいます。

下水道でスクリーニングが前面に出てきた事情

管路の点検は以前から続いてきた業務ですが、スクリーニングという言葉が現場で頻繁に交わされるようになったのは、ここ数年の話です。道路陥没を受けて国土交通省が全国の自治体へ下水道管路の点検を要請し、各地で対象路線の洗い出しが一斉に始まりました。

全国で同時に調査需要が立ち上がると、何が起きるか。調査を受託する会社の機材も人員も、同じ時期に取り合いになりました。自治体の担当者は、限られた委託費と期限のなかで広大な管路網をさばく段取りを組まなければなりません。全区間を精密に見る余裕は、はじめから存在しないのが実情でしょう。

管路のスクリーニング調査が主流になりつつあると業界紙でも語られているのは、この量の問題が背景にあります。調査手法として新しいから採用されているのではなく、量をさばく現実的な手立てとして選ばれてきました。管理者側から見れば、点検の記録を残すこと自体より、次の補修予算をどの区間に振り向けるかを説明できる材料が要るという事情もあります。

スクリーニングに使われる手法と、それぞれが止まる場所

一段目で使われる手法は複数あり、何を絞り込みたいかによって選択が変わります。代表的なものを、得意な範囲と限界の両面から並べてみましょう。

スクリーニング手法別の到達範囲比較図

簡易カメラによる管口調査

マンホールの開口部から棒状のカメラや直視型のカメラを差し入れ、管口付近の状態を短時間で確認する方法。一日に回れる箇所数が多く、広い範囲の当たりをつける用途に向いています。ただし見えるのは開口部から届く範囲に限られるため、スパンの中間で起きている破損は拾いきれません。

流量計や水位計による不明水調査

管きょに流量計や簡易水位計を設置し、雨天時の流量変化から地下水や雨水の浸入が疑われる区域を絞り込む方法です。不明水調査という文脈でスクリーニングという語が使われるのは、この手法を指す場合が多いでしょう。区域単位で怪しい場所を狭められる一方、管のどの箇所が壊れているかまでは特定できません。

自走式カメラによる調査

管底を走らせるカメラは、長い距離を連続して映像で追えるため、下水道の管路調査で長く標準的に使われてきました。精度は高いものの、進行速度が調査量を縛ります。加えて段差のある接続部、急勾配の区間、水位が高い区間では機材が進めず、映像が途切れる箇所が残りました。

管内を飛ぶドローンによる調査

人が通れる口径の管であれば、飛行する機体を進入させて内壁を映像で押さえられます。管底を走らないため、段差も急勾配も越えていけるのが利点。水位が管の上部近くまで上がっていなければ、水面より上の空間を進んで撮影できます。水位が上部近くまで上がっている区間は、ドローンでも進めません。細い排水管や配水管は、清美環ではドローンを入れる対象にしていないため、そこは既存手法の領分のままでした。

清美環が運用する二段階フローの実際

清美環では、管内点検ドローン『フクロウ』を使った調査を、一段目のスクリーニング調査と二段目の本格調査に分けて運用してきました。実際の流れをお伝えします。

スクリーニング→本格調査の二段階フロー図

一段目では、対象区間へ機体を進入させ、止まらずに飛び切って全体を映像に収めます。この段階の狙いは、内壁の異状、堆積の分布、水位の状況、そして次に人や機材を入れられるかどうかという条件の把握。飛びながら見ているため一箇所ごとの計測は行いませんが、どの区間に何が起きていそうかという地図が、対象全体について一度に手に入ります。

二段目の本格調査では、一段目で拾い出した区間だけに絞って、機体をゆっくり進めながら対象箇所へ寄って撮影します。ひび割れや継ぎ手のずれ、腐食の程度を判断できる映像を残し、報告書としてまとめる工程。全区間を対象にしないため、精度を落とさずに時間を圧縮できました。

当社の実績では、スクリーニング調査により通常の1.5倍から1.6倍の距離を、同じ時間で調査できています。ただしこの数値は現場条件による目安で、管径、堆積の量、水位、進入口の位置によって前後します。調査すべき延長が積み上がっている現場ほど、一日あたりで押さえられる距離の差は効いてくるでしょう。映像と報告書はデータで納品しており、補修計画の資料にそのまま組み込めました。

自分の管理する路線に二段階運用を導入できるか、その判断には図面と現地条件が要ります。対象区間の管径、延長、進入口の状況、直近の調査履歴をお聞かせいただければ、近い条件の事例をもとに進め方をお答えしますので、無料相談とお見積りはお問い合わせページから承ります。お電話は042-765-4100(平日9時から18時)へおかけください。

スクリーニングで足りるのか、本格調査まで要るのか

ご相談で最も多いのが、この線引きの質問です。二段階に分ければ必ず得になるわけではなく、対象の性格によっては一段目を省いて最初から本格調査へ入ったほうが早い場面もありました。判断の材料になるのは、次の四点でした。

  • 対象延長が長いかどうか 全体像がまだ見えていない広い範囲を相手にするなら、一段目で順位づけをしたほうが後の予算配分を説明しやすくなります
  • 異状の位置がすでに絞れているか 苦情や陥没、逆流といった事象で場所が特定できている場合、一段目は省いて本格調査へ直行するほうが早道でしょう
  • 報告書に求められる精度 補修設計の根拠として使うなら、二段目の映像が必要になります。次年度の優先順位を決めたいだけなら一段目で足りる場面もありました
  • 調査の期限 期限が迫っていて全区間を精密に見きれないなら、一段目で危険度の高い区間を先に確定させ、二段目を分割して発注する組み立てが現実的です

迷いやすいのは三つめの精度でしょう。一段目の映像を補修設計にそのまま使おうとすると、後から撮り直しが発生します。逆に、優先順位を決めるだけの目的で全区間を本格調査にかけると、費用が跳ね上がりました。何に使う資料なのかを先に決めておくと、この判断は自然と定まります。

ふるい分けた先の堆積や詰まりを、清掃までひと続きで扱う

スクリーニング調査で拾い出される異状は、ひび割れや腐食ばかりではありません。汚泥の堆積、油分の固着、木根の侵入、異物による閉塞。これらは補修ではなく清掃で解消する対象になります。

調査会社と清掃会社が別々だと、ここで手続きが一度止まりました。映像を渡し、別の会社へ経緯を説明し直し、あらためて現場を確認してもらう。日程も費用も二重にかかりました。清美環は本業として下水道管や排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃を三十年以上手がけてきた会社です。点検で堆積や詰まりを見つけたら、そのまま清掃まで一括で引き受けられます。

管の中を長年見てきた経験は、一段目の映像を読む速さにも効いてきました。映った堆積物が、清掃すれば流れる汚れなのか、管の破損によって土砂が入り込んでいるのか。硫化水素が滞留しやすいのはどんな形状の区間か。一段目の判断が的確なほど、二段目に送る区間の選び方も締まります。

管内の飛行そのものについても触れておきます。管の中には衛星の電波が届かず、暗く、壁が近い環境。オペレーターは機体から送られてくる映像だけを頼りに操縦しており、この方式をFPVと呼びます。屋外の空撮とは要求される技能が異なるため、非GPSの暗所を飛ばし慣れた人材は多くありません。機体は現場条件で使い分けており、狭く入り組んだ管には非GPS環境に特化した小型のIBIS2を、接触の危険が高い場所には球体ガードで囲ったELIOS 3を選んできました。

下水道のスクリーニング調査は『フクロウ』にご相談ください

下水道のスクリーニング調査は、全区間を同じ精度で調べる代わりに、まず広く映像で押さえて危険度の高い区間を絞り込み、そこへ本格調査を集中させる進め方です。手法の名前を覚えることより、対象延長と報告書の使い道、そして期限に照らして、一段目をどこまでやり、二段目へ何を送るかを設計するほうが実務では効いてきました。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの管内を映像だけで飛ばせるオペレーターと二種類の機体で、下水道管とマンホール、焼却炉、大型タンク、ボイラー、ピット、ダクトといった閉鎖空間の調査をお引き受けしてきました。実績としては、中部地方で中規模の下水道管を約100メートル、関西で薬品タンクの内部調査、北陸で焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって調査しています。すでに機体を保有していて管内を飛ばせないという点検・調査会社からは、操縦だけを切り出した委託も承ってきました。

二段階に分けるべきか、一段で足りるかの段階からのご相談で構いません。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。対象区間の状況をお聞かせいただければ、事例をもとに具体的な進め方をご提案します。

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