管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
← トップへ戻る

マンホール内部の調査方法と点検項目|人が入る調査とドローンの違い

マンホール内部の調査方法と点検項目|人が入る調査とドローンの違い

マンホール内部の調査方法を調べていくと、路上から蓋を見る話と、人が中へ降りて壁面を見る話と、カメラを流し込む話が、区別されないまま並んでいることに気づかれたのではないでしょうか。下水道の人孔点検を担当する自治体の方、管路管理やビルメンテナンスの会社で調査計画を立てている方にとって、知りたいのは「どの方法で、どこまで分かるのか」という線引きのはず。この記事では、マンホールの点検項目と点検基準の考え方を整理したうえで、人が入って行う従来の内部調査と、ドローンによる無人調査が何を入れ替えているのかを対比します。下水道管の清掃を三十年以上手がけてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』の現場で見てきた実感も交えてお伝えしていきます。

マンホール内部の調査方法が分かれている理由

ひとくちにマンホール調査といっても、見ている対象は同じではありません。路面に露出した蓋を見るのか、蓋の下の躯体を見るのか、躯体につながる管の口を見るのか。対象が変われば、必要な機材も、人が中へ入るかどうかも変わってきます。マンホール内部の調査方法を比較するときに話がかみ合わなくなるのは、この対象の違いが省かれたまま「方法」だけが並べられているためでしょう。

マンホール内部を4部位に分けた断面構造図

下水道管路施設の点検・調査を扱う市川建設のページでは、マンホール調査が目視調査、蓋調査、ます調査、取付け管テレビカメラ調査に分けて紹介されています。土木管理総合試験所の下水道管路施設点検・調査のページでも、潜行目視・テレビカメラ調査、打音調査、空洞調査といった手法が並列に置かれました。同じ「調査」という言葉でも、路上で完結する作業から、人が中へ降りる作業まで、危険度も段取りもまるで違うわけです。

マンホールの点検項目は、大きく四つの部位に分かれる

現場で見ていく箇所を部位ごとに整理すると、次のように分けられます。

  • 蓋と受枠 がたつき、摩耗による滑り、路面との段差、蓋そのものの割れや変形
  • 躯体の壁面 ひび割れ、目地のずれ、コンクリートの腐食や骨材の露出、浸入水のにじみ
  • インバートと底部 汚泥の堆積、モルタルの欠損、流れを妨げる段差
  • 管口と足掛金物 管とのつなぎ目のずれや破損、腐食して脱落しかけたステップ

このうち路上から確認できるのは蓋と受枠まで。残る三つは、蓋を開けて内部を見なければ状態がつかめません。マンホールの内部点検が「内部」とわざわざ呼ばれるのは、路上の点検だけでは届かない領域が確実に存在するからにほかならないでしょう。

マンホールの点検基準は、どこで決まっているのか

点検基準を探している方が最初にぶつかるのは、判断のよりどころが一枚の文書にまとまっていないという事実かもしれません。日本グラウンドマンホール工業会は、マンホール蓋の状態把握手法について、日本下水道協会の「下水道マンホールふたの維持管理マニュアル」(平成12年)に始まり、日本下水道管路管理業協会の「マンホール蓋等の取替に関する設計の手引き」(平成23年)などへと積み重ねられてきた経緯を示しています。つまり基準は、複数のマニュアルと手引きの層としてできあがってきました。

実務では、この積み重ねを踏まえて各管理者が判定の物差しを定め、調査結果を緊急度の区分へ落とし込んでいきます。他の自治体の判定区分をそのまま持ち込んでも噛み合わないことがあるのは、管路の年数や土質、交通量といった前提が違うためでしょう。

「巡視」と「調査」を分けて考える

もうひとつ押さえておきたいのが、巡視と調査という言葉の使い分けです。日本グラウンドマンホール工業会も、マンホール蓋の巡視と調査を別の項目として扱っています。巡視は路上から日常的に外観の異状を拾う行為で、調査は対象を絞って状態を測り、記録に残す行為。巡視で「気になる」と拾われた箇所が調査へ回り、調査の結果が補修や取替の判断材料になります。

下水道の人孔点検という呼び方をされる場面でも、この二段構えは変わりません。マンホールの点検と調査を同義に扱ってしまうと、巡視で拾えるはずの異状を高額な調査で探すことになったり、逆に調査すべき箇所を巡視の記録だけで済ませてしまったりと、労力の配分を誤りかねないでしょう。

人が入って調べる従来の内部調査と、その前に必要な段取り

マンホール内部の調査方法として長く行われてきたのが、人が中へ降りて目視で確認する潜行目視です。壁面に手が届く距離で見られるため、ひび割れの幅や腐食の質感といった、映像では判断しにくい情報を拾えます。内径が大きく、乾いていて、進入口が確保できる条件なら、いまでも有力な方法でしょう。

ただし、人が入るという前提には、調査そのものとは別の段取りが付いてきます。マンホールの内部は下水が流れる閉鎖空間で、酸素が薄くなったり、硫化水素が滞留したりする場所。だからこそ、入る前の換気と測定、送気マスクなどの保護具、地上の監視員の配置、路上作業となる場合の交通規制といった準備が求められます。過度に恐れる話ではなく、手順を踏めば管理できる範囲の作業です。それでも、人員と時間が確実に必要になる点は変わりません。

清美環は本業として下水道管や排水管の清掃を三十年以上続けてきました。管の中がどう汚れ、どこに汚泥がたまり、どの季節にどんなにおいが立つのか。現場で体に入っているのは、そういう種類の知識です。だから断言できることがあります。人が入る調査で本当に時間を食うのは、壁面を見ている時間ではなく、安全に入って出るための前後の段取りのほうだ、ということ。マンホールが数十基、数百基と並ぶ路線で調査計画を立てるとき、この前後の時間が全体の工程を決めてしまいます。

ドローンで人孔内部を無人のまま調べる

では、人を降ろさずに内部の状態を押さえる方法はないのか。ここで選択肢に入ってくるのが、管内点検ドローンによる無人調査です。蓋を開けて機体を降ろし、躯体の壁面、インバート、管口を映像で記録して回収する。人が閉鎖空間へ立ち入らないため、換気と測定を経て中へ降りるという段取りの大部分を省けます。

もっとも、マンホールの中でドローンを飛ばすのは、屋外で空撮するのとはまったく別の作業になります。地下では衛星の電波が届かず、機体は自分の位置を測位できません。暗く、壁が近く、水面が視界を乱す環境で、オペレーターは機体から送られてくる映像だけを頼りに操縦します。FPVと呼ばれるこの方式は、屋外の空撮とは求められる技能が段違い。ここを飛ばせる人がいるかどうかが、ドローンで人孔内部を調べられるかどうかの分かれ目になっています。

機体は現場条件で使い分ける

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』では、非GPS環境に特化した小型のIBIS2と、球体ガードで機体を囲ったELIOS 3を、現場の条件に応じて選んでいます。開口部が狭く入り組んだ人孔には小型機を、壁への接触が避けにくい場所にはガード付きの機体を、という具合。同じマンホールでも、深さ、内径、たまり水の状態によって最適な機体は変わってきます。

調査の進め方も二段構え。まず全体を素早く見て回るスクリーニング調査で異状の疑わしい箇所をふるい分け、そのうえで本当に詳しく見るべき箇所へ本格調査を集中させます。当社の実績では、このスクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できています(現場条件による目安です)。点検すべき人孔の数が積み上がっている路線ほど、この差が工程に効いてくるでしょう。

実際の調査としては、中部地方で中規模の下水道管を約100メートルにわたって調べたほか、関西で薬品タンクの内部調査、北陸で焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって点検してきました。人孔や管路の調査方法を検討している段階でしたら、対象と規模をお聞かせいただければ、近い事例をもとに具体的な進め方をお答えします。無料相談・お見積りはお問い合わせページから承っています。

従来調査とドローン調査、どちらを選ぶかの分かれ目

ドローンがあれば人の潜行が要らなくなる、という単純な置き換えにはなりません。両者は得意な条件が違うためです。手で触れる距離で質感まで確かめたい、その場で簡易な補修まで済ませたいという場面では、人が入る調査に分があります。一方、たまり水が多い、硫化水素の懸念がある、内径が小さくて人が入れない、あるいは基数が多くて工程が読めないという条件では、無人で映像を押さえる方式が現実的でしょう。

人が入る従来調査とドローン無人調査の対比図

判断の軸を絞るなら、次の三点を見るとおおよその見当がつきます。ひとつ目は人が安全に入れる環境かどうか。ふたつ目は、記録として映像で足りるのか、触診レベルの確認まで要るのか。三つ目は対象の基数と、与えられている工期です。三点のうち一つでも人の立ち入りに引っかかるなら、まずドローンで全体を押さえ、絞り込んだ箇所だけ人が入るという組み合わせが取れます。

マンホール調査の方法選びで見落とされがちなのが、調査した後の話。内部を見て堆積物が見つかったとき、それが清掃で流れる汚れなのか、躯体の破損に由来するものなのかを切り分けられなければ、次の一手が決まりません。清美環が管の清掃を本業としてきたことが効くのは、この読み解きの場面でした。

マンホールの点検調査業者を選ぶときに確認したいこと

マンホールの点検を外部へ依頼する際、会社選びで見るべき点は、価格の並びだけではないはず。まず確かめたいのは、閉鎖空間や管内を実際に飛ばした実績があるかどうか。屋外の空撮実績がいくら豊富でも、非GPSの暗所を飛ばす技能とは別物です。ドローンを保有していることと、人孔の中を飛ばせることは、必ずしも一致しません。

次に、調査を段階的に運用できる体制があるか。全基を同じ精度で本格調査するしかない進め方では、予算も工期も膨らみがちになります。そして三つ目が、調査後の対処までつながるかどうか。点検はA社、清掃はB社、補修はC社と分かれると、報告書の受け渡しと現場説明が都度発生し、判明した異状への着手が遅れかねません。清美環は点検で見つかった堆積や詰まりを、そのまま清掃まで一括で対応できます。映像と報告書はデータで納品し、次の判断へつなげられる形でお渡ししてきました。

なお、すでにドローンを導入したものの、管内や人孔をうまく飛ばせないという点検・調査会社からは、操縦だけを引き受ける委託のご相談もいただいています。機体はあるが飛ばす人がいないという場面では、その部分だけを切り出してご活用ください。操縦委託の窓口はこちらのお問い合わせから承ります。

マンホール内部の調査方法でお困りなら『フクロウ』へ

ここまで見てきたとおり、マンホール内部の調査方法は「どれが優れているか」ではなく「どの部位を、どの条件で見るのか」で決まります。蓋と受枠は路上から、躯体と管口は内部から。人が入れる条件なら潜行目視が効き、入れない条件や基数が多い路線では、無人で映像を押さえてから絞り込む進め方が現実的な解になってきました。点検基準が複数のマニュアルの積み重ねでできている以上、方法の選択も現場ごとに組み立てるほかありません。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの暗所を映像だけで飛ばす熟練オペレーターと二種類の機体、そして三十年以上にわたる管清掃の知見で、人孔と管路の調査から、見つかった堆積の清掃までを一続きでお引き受けしてきました。対象の基数や工期がまだ固まっていない段階でも構いません。現場の状況をお聞かせいただければ、近い事例をもとに進め方をご提案します。無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。

← ブログ一覧へ