管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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インフラ内部の点検をドローンで|管内映像に写るものと記録の残し方

インフラ内部の点検をドローンで|管内映像に写るものと記録の残し方

インフラ内部の点検にドローンを使う話は、この数年で一気に広まりました。機体の紹介ページ、実証実験の報道、導入の利点を並べた解説。それでも、自分の設備に実際に機体を入れたとき、どんな映像が返ってきて、その画面から何を読み取れるのかという肝心の部分は、あまり書かれていません。

この記事では、管やタンクの内部を飛んだドローンの映像に何が写るのかを異状の種類ごとにたどり、映像では数値にならない範囲、次の点検と比べられる記録の残し方、依頼前に用意しておきたい資料までをまとめました。下水道管や排水管の清掃を三十年以上続け、管内点検ドローン『フクロウ』で管の中を飛ばしてきた清美環の立場から書いています。

インフラ内部の点検で、ドローンの映像には何が写るのか

管きょや槽の内部を飛ばすと、手元には内壁を近い距離から連続して写した映像が残ります。拾い出すのは、構造の異状と、中にたまっているもの。画面上での見え方から並べてみましょう。

ドローン映像に写る異状の種類の図解

継手のずれは、線の食い違いとして現れる

下水道管や排水管は、決まった長さの管をつないで築かれています。地盤の沈下や外力で管どうしの位置が動くと、継手の部分で内壁の線が食い違って見えるようになりました。わずかなずれなら、円周に沿った目地の幅が片側だけ広がって見える程度。進行すると段差になり、その段差に紙や布が引っかかって滞留していきます。

映像で注目するのは、ずれそのものより、ずれた隙間から何が出入りしているかのほうでしょう。隙間の縁に細かい土砂が積もっていれば、管の外側から土が入り込んでいる可能性が高まります。反対に、隙間の下側だけが濡れて筋になっている場合は、地下水の浸入を疑う所見になりました。

ひび割れと、ひび割れに見えるもの

クラックは、内壁を走る細い線として写ります。管の軸方向に走るものは外圧、円周方向に走るものは不同沈下や曲げ、というのが基本の見方。線が交差して亀甲状になっていれば、その範囲は広く傷んでいると考えます。

ただし、線に見えるものがすべてひび割れとは限りません。型枠の跡、補修モルタルの継ぎ目、内壁を伝った水の筋、付着した油分の縁。暗い空間では照明の当たり方でこれらが強調され、実際より深い溝に見える場面も出てきます。判別の手がかりは、線の縁に色の変化があるか、線をまたいで内壁の面が段差になっているか、線の周囲に水の染み出した跡があるかという三点。迷ったときは機体を止め、角度を変えて撮り直します。

腐食は、内壁が広い範囲で失われていく

下水道の管きょでは、硫化水素からできた酸がコンクリートを侵す劣化が知られています。一点に穴が開くというより、内壁の表面が広く溶け、骨材が浮き出てくる形で進みました。映像では内壁がざらついた質感に変わり、色が白っぽく抜けて見えます。さらに進めば骨材の粒が立ち、その奥に鉄筋が現れた状態。管の上半分に集中して出るのは、気相部に硫化水素が滞留するためです。

金属のタンクやダクトでは様子が変わります。点状の錆から始まり、膨らんだ錆こぶが剥がれた跡が浅い凹みとして残る。溶接線に沿って帯状に進むこともあり、内壁の反射が周囲と違うところから当たりを付けていきました。

堆積物、そして木の根

構造の異状ではないものの、映像でいちばん量として目に入るのが堆積物でしょう。管底に一様に広がった汚泥、油脂が冷えて固まった白っぽい塊、流れ込んだ砂利や建設残土。見え方が違うので、映像から性状の見当を付けられます。

下水道管で見つかると厄介なのが、木の根の侵入。継手の隙間や取付管の接続部から入り込み、管の中でひげ状に広がっていきます。画面では繊維の束が垂れ下がって見えるため、他の堆積物とは区別しやすい対象。根が入っているということは、そこに水と隙間があるという意味でもあり、構造の異状を示す手がかりとしても読めます。

同じ映像を見ても、所見が分かれるところ

ここまでを読むと、映像さえあれば誰でも判定できそうに思えるかもしれません。実際には、同じ画面を見ても所見が割れる場面がたびたびあります。分かれ目になるのは、たいてい次の二つでした。

ひとつは、清掃で消えるものと消えないものの区別。内壁が黒ずんで見える区間があったとして、表面に付いた汚れなのか、腐食で骨材が露出した結果なのかは、画面上では似た見え方をします。前者なら洗浄したうえで内壁をあらためて確認でき、後者は補修の検討へ進む対象。取り違えると、必要のない更新工事の見積りを取るか、進んだ腐食を見落とすことになりかねません。

もうひとつが、水面の扱いです。管底に水が残っている区間では、水面から下は写りません。それでも映像は流れ続けるため、見たつもりになりやすい部分でした。水位の高い日に撮った映像を異状なしと記録すると、次に誰かが見返したとき、管底が未確認だった事実そのものが残っていない事態が起こり得ます。撮影当日の水位を記録に添える理由はここにあります。

清美環がこの判別に踏み込めるのは、下水道管や排水管の清掃を本業として三十年以上続けてきたからにほかなりません。実際に管を洗ってきた側は、どんな汚れがどの水圧で落ち、どんな堆積が残るかを手の感覚として持っています。映像を見るときも、その感覚に照らして「これは洗浄で流れる範囲か、それとも管の破損や地盤の変化を疑うべきか」を判断する材料になるでしょう。映像だけで結論が出しきれない場合は、洗浄を試してから再度映像で確認する、あるいは現地での追加確認をご提案することもあります。

映像では数値にならないもの

ドローンの映像でできることと、できないことの線も引いておきましょう。映像が答えられるのは、どこに何が見えるかという範囲まで。厚みや強度といった数値には、別の手段が要ります。

まず、残っている管厚や板厚は映像から測れません。金属タンクの内壁がどれだけ痩せているかは超音波による肉厚測定の領域で、錆の見え方から推定できる情報ではないからです。コンクリートの浮きや剥離も、表面に出ていない段階では映像に現れず、叩いた音の違いから探る打音の領分です。土に接している管の外側や、その周囲にできた空洞も内側からは見えません。道路の陥没につながる空洞は、路面からの探査で確かめる対象になります。

だからこそ、映像に持たせる役目は「どこを数値で確かめるか」を決めるところまで、と割り切れます。管厚も浮きも映像には出ませんが、どの区間が怪しいかなら映像で指させる。通しで撮った映像から肉厚測定や打音の当て先だけを拾い出す、この工程がスクリーニング調査にあたります。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できています。

次の点検と比べられる記録にするために

インフラ内部の点検は、一度撮って終わりにはなりません。数年後にもう一度見たとき、前回から進行したかどうかを読み取れるかで、記録の値打ちは変わってきます。ところが、比較できる形で残された映像は、実務ではそう多くないのが実情でした。

比較を成り立たせるために、撮影の前に決めておきたい項目を挙げます。

  • 起点と進行方向 どの人孔、どの点検口から入り、どちら向きに進んだのか。次回に逆向きで撮ると、同じ箇所を探すだけで時間を取られます
  • 距離の数え方 継手の本数で数えるのか、開口部からの実測で数えるのか。基準が違えば、同じ「25メートル地点」が別の場所を指します
  • 撮影時の条件 当日の水位、直前に清掃を入れたかどうか、粉塵の状態。条件の違う映像を並べて悪化したと読むのは危うい判断でした
  • 生の映像を残すか 切り出した静止画だけでは、次回に別の箇所が気になったときに戻れません

三つめは特に見落とされがちな項目でした。清掃の直後に撮った映像と、汚泥がたまった状態の映像を並べれば、後者のほうが当然ひどく見えます。同じ設備を年をまたいで追うなら、撮影の条件までそろえて初めて比較が成り立つでしょう。映像と報告書はデータで納品しており、どの区間から手を入れるかを判断できる形にまとめてきました。

依頼の前に社内で集めておきたい資料

ここからは、導入を検討している施設や工場の側の準備について。当日の段取りが早く決まるかどうかは、事前に集まった情報の量でおおむね決まります。ご相談の段階で伺うことが多いのは、次のあたりです。

  • 図面 竣工図、配管系統図、管理台帳。延長と口径、曲がりの位置が分かれば、飛行の区間割りをその場で組めます
  • 過去の点検記録 前回の報告書、カメラ調査の映像、緊急度の判定結果。どこが要注意とされていたかで、最初の一本で重点的に見る場所が決まります
  • 清掃や補修の履歴 補修モルタルを入れた箇所は映像で新しい線として写るため、分かっていれば誤読を避けられます
  • 設備の寸法と現況写真 図面がない設備では、現地で測った内径と点検口まわりの写真が図面の代わりになります
  • 運転と停止の予定 炉やボイラーなら停止できる期間、下水道管なら流量の落ちる時間帯。撮影できる窓で工程が決まります

二つめの過去の点検記録は、比較という意味でも効いてきます。前回の映像があれば今回の調査がそのまま経年の比較になり、進行の速さから次の点検時期を逆算できるためです。記録が一度もない設備なら、今回を最初の基準として、起点と距離の数え方を決めましょう。

図面が一枚も見つからないという相談も珍しくありません。現地で採寸し、写真をもとに区間割りを組み立てた例もいくつかありました。

対象設備の種類と規模、これまでの点検の履歴をお聞かせいただければ、近い条件の事例をもとに進め方をお答えします。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承ります。自社で撮影した管内の動画も保有していますので、実際の見え方をご相談の段階で確かめていただいて構いません。

映像が残せるのは、機体が入れる設備だけ

ここまで並べてきた見え方は、機体を入れられる設備の映像に限った話です。当社が撮ってきたのは、工場やプラントの設備内部、ダクト内、天井裏、ピット内、ボイラー本体、大型タンク、焼却炉、マンホールを含む下水道管。裏を返せば、口径が小さくて機体の入らない宅内の排水管や配水管、墜落したときの衛生上の影響が大きいために受けていない受水槽や貯水槽は、内部の映像そのものが手元に残りません。内視鏡やTVカメラで撮った画面を読むことになり、画角も距離感もここまでの話とは別物になります。橋梁やトンネルの外観、屋根、太陽光パネルは屋外の開放空間にあたり、当社では手がけていません。

機体が入れる設備と入れない設備の区分の図解

インフラ内部の点検は『フクロウ』へご相談ください

インフラ内部の点検にドローンを入れると、継手のずれ、ひび割れ、腐食による内壁の変化、堆積物や木の根といった異状が映像として残ります。判断に使えるかを分けるのは、清掃で消えるものと消えないものを切り分けられるか、水面から下が未確認だという事実を記録に残せるか、次の点検と同じ条件で撮り直せるかという三点でした。厚みや強度は映像では数値になりませんので、どこを数値で確かめるかを決めるための材料と位置づけ、その先に肉厚測定や打音を当てる組み立てが現実的でしょう。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの暗所を映像だけで飛ばせる熟練オペレーターと、現場条件で使い分ける二種類の機体で閉鎖空間の点検調査を手がけてきました。実績としては、中部地方で中規模の下水道管を約100メートル、関西で薬品タンクの内部、北陸で焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって調査しています。点検で堆積や詰まりが見つかれば、本業の管清掃でそのまま一括対応が可能。すでに機体を保有していながら管内では飛ばせないという点検・調査会社には、操縦委託のご相談も承ってまいりました。

対象設備の種類と口径、延長、これまでの点検履歴をお聞かせいただければ、近い事例をもとに具体的な進め方をご提案します。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。現場の規模や条件によって進め方は変わりますので、まずは今の状況をお聞かせください。

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