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下水道管路の調査を二段階で進める|本格調査へ切り替える判断基準

下水道管路の調査を二段階で進める|本格調査へ切り替える判断基準

下水道管路の調査は、全線を同じ細かさで調べるより、まずスクリーニング調査で全線を短時間で撮影し、異状が疑われる区間だけを本格調査で詳しく見る二段階で組むほうが、限られた期間と予算で全線に手が届きます。スクリーニング調査とは、異状があるかどうかとその位置をつかむための一次調査を指し、傷みの程度までは判定しません。二段階の調査がうまく回るかどうかは、一次調査の映像に何が映ったら本格調査へ移すのかを、発注の前に決めておけるかで決まります。

清美環は下水道管の清掃を三十年以上続けてきた会社で、管内点検ドローン『フクロウ』による調査を請け負ってきました。機体が入れる太さの下水道管とマンホールなら、ドローンで一次調査ができます。宅内の排水管や水道の配水管は、清美環ではドローンを入れる対象にしていないため、別の方法を選ぶことになるでしょう。

下水道管路の調査を二段階に分ける理由

下水道管路の調査を二段階に分けるのは、管理している延長に対して、詳しい調査に回せる日数と費用が足りないからです。詳しく調べる方法ほど、1日に進める距離は短くなります。人が管に入って確かめる潜行目視では、酸素濃度と硫化水素の測定、送風、監視員の配置といった段取りが済むまで、管に入ること自体ができません。

スクリーニング調査から本格調査への二段階の流れ

全線を先に撮っておくと、どの路線のどの区間に異状が集まっているかが見えます。本格調査の区間と予算を、映像という根拠をもって決められるようになる点が、二段階で組む一番の利点でしょう。

危ない箇所から先に調べる考え方は、国の制度にもあります。国土交通省は、管径2メートル以上かつ1994年度以前に設置された下水道管路を対象に、地方公共団体へ全国特別重点調査の実施を要請しました。八潮市の陥没現場と構造や地盤が似ている箇所、腐食しやすい箇所、陥没の履歴があって交通への影響が大きい箇所などを「優先実施箇所」として先に調べる仕組みで、千葉県も結果を「優先実施箇所」と「非優先実施箇所」に分けて公表しています。ただし、国の制度で優先箇所を選ぶ根拠は、管の構造や地盤、陥没の履歴といった条件です。一次調査の映像で選んだわけではありません。制度の対象外の管路で二段階の調査を組むなら、どの区間を本格調査に回すかは、発注する側が決めた基準で選ぶことになります。

二段階が向かない場合もあります。調べる区間がマンホール1区間分しかないときや、すでに破損が分かっている区間では、一次調査を挟まず初めから本格調査に入ってください。

スクリーニング調査と本格調査で使う方法

スクリーニング調査は異状の有無と位置を調べる調査で、本格調査は異状の程度を判定する調査です。目的が違うため、使う機材も1日に進める距離も同じにはなりません。

スクリーニング調査は全線を短時間で撮る

スクリーニング調査では、マンホールから管の中をのぞく管口カメラや、管の中を飛ばすドローンで、区間ごとの映像を短時間で撮っていきます。報告には、異状の種類と、マンホールから何メートルの位置にあるかといった記録を載せ、どこまで載せるかは発注の時点で決めておきます。傷みの深さや強度までは、一次調査の映像だけでは判定できません。

本格調査は異状の程度を測る

本格調査では、要注意と判断した区間に絞って、状態を詳しく確かめます。管の中の状態を確かめる方法と、管の外側の地盤を確かめる方法があり、代表的なのは次の四つです。

  • TVカメラ調査 自走式のカメラを管底に走らせ、ひび割れや継手のずれを1箇所ずつ撮影する
  • 潜行目視 人が管に入り、目で見て確かめる
  • 打音調査 管の内面をたたいて返ってくる音や振動から、目で見ただけでは分からない管の強さを推定する(衝撃弾性波法などの方法がある)
  • 空洞調査 管の外側の地盤に空洞ができていないかを、路面の上や管の中から専用の機材で探す

広島市が公表した全国特別重点調査の結果も、管路内調査と空洞調査の二つに分けて報告されていました。本格調査の結果は緊急度の判定に使われ、修繕や改築の計画へつながります。

本格調査へ切り替える三つの判断基準

スクリーニング調査の映像から本格調査へ移すかどうかは、映像に出た異状の種類、映像で判定しきれたかどうか、壊れたときの影響の大きさ、の三つで決めます。三つのうち一つでも当てはまれば、本格調査の候補に入れてください。

本格調査へ切り替える三つの判断基準

映像に管そのものの傷みが映っている

管の破損、ひび割れ、継手のずれ、腐食が映っていたら、本格調査に回します。コンクリート管の腐食は、内面が荒れて中の砂利が見え始めるといった形で映像に出ます。管が沈んで水がたまっている区間や、継手やひびから地下水が入り込んでいる区間も、同じく本格調査の対象に含めましょう。

とりわけ見落とせないのが、管の中に土砂が流れ込んだ跡です。管の外側の土が管の中へ吸い込まれている場合、道路の下に空洞ができている可能性があるため、管内の本格調査に加えて路面からの空洞調査も組み合わせてください。汚泥や油の付着は、それ自体は管の破損ではないため、まず清掃で取り除く対象です。ただし、汚泥がたまって下水が滞る区間は硫化水素が発生しやすく、管の天井側から腐食が進みやすい場所でもあります。清掃したあとの映像で管の表面に荒れやひび割れが残っていれば、本格調査に回してください。

水位や堆積で管底が見えなかった

水位が高い、堆積物が厚いといった理由で管底や管の全周が映らなかった区間は、「異状なし」として扱いません。映っていない部分に傷みがあっても、映像からは分からないからです。

撮り直しの方法は、見えなかった理由で変わります。水位が原因なら流量が少ない時間帯を選び直し、堆積が原因なら清掃で取り除いてから撮り直すことになるでしょう。清美環は管清掃が本業のため、堆積を見つけた区間を清掃し、そのまま撮り直すところまで一括で引き受けられます。

壊れたときの影響が大きい

流量の多い幹線や、交通量の多い道路の下を通る区間では、映像で見えた異状が軽くても本格調査に回してください。同じひび割れでも、壊れたときに止まる下水の量と、道路が使えなくなったときの影響が大きく違うためです。布設から年数がたった区間も、同じ考え方で優先度を上げてください。

スクリーニング調査だけで済ませてよい区間

スクリーニング調査だけで済ませてよいのは、管の全周と管底が映像で確かめられ、管そのものの傷みが見当たらない区間で、調査の目的が次の点検や改築の優先順位を決めることにある場合です。こうした区間は本格調査に回さず、次の点検で変化を比べるための記録を残す扱いにできます。一方、補修の設計に使う資料が要る場合や、発注仕様や管理者の判定基準で詳しい調査が求められている路線では、傷みが見当たらなくても一次調査だけでは足りません。たとえば全国特別重点調査では、映像による目視調査で緊急度が高いと判定されなかった区間にも、念のため打音調査などを重ねる流れが示されました。

条件になるのは、映像が判定に足りていることです。照明が届かず暗い映像や、機体が速すぎてぶれた映像で「異状なし」と書かれていても、判断の根拠にはなりません。納品された映像で管の継手が1箇所ずつ見分けられるかは、確かめやすい目安の一つ。どの細かさで撮れば「異状なし」と判定してよいかは、発注仕様と判定基準で決めておきます。

次の点検で比べるためには、異状の位置をマンホール番号とそこからの距離で記録しておく必要があります。前回の映像と同じ位置を見比べられれば、ひび割れが伸びたかどうかを次の一次調査で判断できるでしょう。

ドローンで調べられる管路と対象外の管

管内点検ドローン『フクロウ』で調べられるのは、機体が入れる太さの下水道管とマンホールです。同じように人が入ると危険な閉鎖空間として、焼却炉、大型タンク、ボイラー本体、ピット内、ダクト内、天井裏、プラントの設備内部の調査も引き受けています。

一方、宅内の排水管や水道の配水管、受水槽や貯水槽は、清美環では機体を入れる対象にしていません(受水槽・貯水槽は、機体が落ちたときに飲み水の衛生に影響が出るため)。これらの一次調査には、管口カメラやTVカメラが向いています。

管底を走らないドローンが一次調査に向く理由

ドローンは管底を走らず水面より上の空間を飛ぶため、管の上部に機体が通れるだけの空間が残っていれば、TVカメラが止まりやすい段差や水位の高い区間、堆積のある区間でも先へ進めることがあります。水位が管の上部近くまで上がっている区間や、堆積や障害物で通り道がふさがっている区間は、ドローンでも進めません。TVカメラが止まりやすい区間の多くを同じ一次調査の中で撮れる点が、スクリーニング調査との相性のよさでしょう。

当社の実績による目安では、スクリーニング調査で通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調べられています。水位や堆積、マンホールの間隔によって進める距離は変わるため、実際の日数は現場の条件をうかがってからお伝えします。

管の中はGPSの電波が届かず暗いため、機体の位置を衛星から知ることができません。清美環のオペレーターは、機体から送られてくる映像だけを見て操縦します。機体は、非GPS環境に特化した小型のIBIS2と、球体のガードで囲ったELIOS 3を、管の太さや障害物の多さで使い分けてきました。

お手元の管路がドローンで一次調査できるかは、口径と延長、マンホールの位置図があれば早い段階で判断できます。近い条件の事例をもとにお答えしますので、無料相談・お見積りはお問い合わせページからご連絡ください。

発注前に決めておくこと

二段階の調査を外注するときは、スクリーニング調査を発注する時点で、本格調査へ移す条件と手順まで決めておくと、一次調査の後で話が止まりません。発注前に委託先とすり合わせておきたいのは、次の五つです。

  • 調べる区間と資料 路線ごとの口径・管種・延長、マンホールの位置図、布設年度、過去の調査記録
  • 撮影できる条件 流量が少ない時間帯、流量を下げられるか、マンホールを開けるための道路での作業の手続きを誰が行うか
  • 本格調査へ移す基準 三つの判断基準のどれに当たれば本格調査に回すかと、最終的に判断する人
  • 納品物 映像データ、異状の位置と種類の一覧、本格調査を勧める区間とその理由
  • 堆積が見つかったときの扱い 清掃してから撮り直すのか、清掃と撮り直しを別に見積もるのか

本格調査へ移す基準を決めないまま一次調査を始めると、映像を見てから本格調査の範囲を協議し直すことになり、その間は次の工程が進みません。

下水道管路の調査計画を『フクロウ』に相談する

下水道管路の調査は、全線をスクリーニング調査で撮り、管の傷みが映った区間、映像で判定しきれなかった区間、壊れたときの影響が大きい区間だけを本格調査に回すと、限られた期間で全線を見られます。本格調査へ移す基準は、一次調査を発注する前に決めておいてください。

清美環は、非GPSの管内を映像だけで飛ばすオペレーターと二種類の機体に加えて、三十年の管清掃で得た管内の知見をもって調査に入っています。これまでに、中部地方で中規模の下水道管約100メートル、関西で薬品タンクの内部、北陸で高さ約30メートルの焼却炉煙突を調査しました。ドローンを保有していて管内を飛ばせない点検・調査会社からの操縦委託も、操縦委託のお問い合わせから受け付けています。

費用は区間の延長と管の太さ、水位や堆積の状態で変わるため、近い事例をもとにお見積りします。管路の図面や過去の調査記録があれば、ご相談の際にお送りください。一次調査と本格調査の分け方からご提案します。

無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でご連絡ください。

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