管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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ピット内点検にドローンを使う判断基準|機体選定と現場条件の見方

ピット内点検にドローンを使う判断基準|機体選定と現場条件の見方

「ピット内 点検 ドローン」と検索すると、大手建設会社の導入発表や、機体メーカーの製品ページが上位に並びます。技術としては使えるらしい、というところまではすぐにわかるでしょう。ところが、自社が抱えている地下ピットに本当に機体を入れられるのか、入れるとしてどの機体が向いているのか、事前に何を測っておけばよいのか。発注側がいちばん知りたい部分は、導入事例の紹介からは読み取りにくいのが実情でしょう。この記事では、管内点検ドローン『フクロウ』を運用する清美環が、非GPS環境を映像だけで飛ばしてきた現場の判断をもとに、ピット内点検でドローンを使うかどうかの見極め方と、現場条件に応じた機体の選び方を整理します。

地下ピットの点検が、そもそも人手では進みにくい理由

地下ピットは、建物の基礎と一階床のあいだにできる空間。排水や給水の配管、ポンプ、槽まわりの設備が収まっていることが多く、建物を使い続けるかぎり、漏水やひび割れ、配管の腐食を定期的に見ておく必要があります。ところが実際に中へ入ろうとすると、いくつもの壁にぶつかるでしょう。

まず、進入口が小さい。人がようやく通れる程度の点検口から降り、内部では梁で細かく区画された空間を、腹ばいに近い姿勢で移動していくことになります。照明も持ち込まなければ何も見えません。さらに閉鎖空間である以上、入る前に換気を回し、酸素や硫化水素の濃度を測り、外に監視員を置くという段取りが要ります。点検そのものより、人が安全に入るための準備に時間と費用がかかるわけです。

もうひとつ、実務でよく困るのが図面の問題。竣工から年数が経った建物では、ピット内の区画割りや配管経路の記録が残っていないことも珍しくありません。どこに何があるかわからない空間へ人を入れるのは、それ自体が負担になります。ドローンによるピット内点検が注目されるようになったのは、この「入る前の段取り」と「中がわからない不安」を、飛ばして映像を持ち帰る方法で先回りできるからでしょう。

ドローンを入れられるピットと、入れないほうがよいピット

ただし、地下にある閉鎖空間ならどこでも機体を飛ばせるわけではありません。飛ばせるかどうかは、次のような現場条件で決まってきます。

  • 進入口の大きさ 機体とプロペラガードが余裕をもって通る開口があるかどうか。ふたを開けた実寸で判断します
  • 内部の高さと区画 床から梁下までの高さ、区画同士をつなぐ抜け穴の位置と大きさ。旋回できる余地があるかどうかが分かれ目
  • 床の状態 溜まり水、堆積した泥、粉塵の量。着陸できる乾いた面を確保できるかも確認します
  • 電波の通り コンクリートと鉄筋に囲まれた空間では映像と操縦の電波が減衰するため、進入口からの飛行距離に制約が出ます

逆に、条件がそろわない場所では無理に飛ばしません。清美環では、受水槽や貯水槽の内部にドローンを入れない方針をとってきました。万一の墜落で機体が水に触れれば衛生上の影響が出ますし、回収も容易ではないためです。同様に、細い排水管や配水管は、そもそも機体が入る太さではありません。ピットの点検を検討する際は、その空間が本当にドローン向きなのかを、対象物ごとに切り分けて考えてください。

この見極めは、現地を見ずに机上だけで固められるものではありません。写真と寸法をいただいたうえで、必要なら事前に下見をおこない、進入経路と飛行計画を決めてから当日に臨みます。段取りを詰めておくほど、当日の飛行時間を点検そのものへ多く回せるでしょう。

現場条件でIBIS2とELIOS 3をどう使い分けるか

ピット内点検の記事で意外に語られないのが、機体選定の考え方です。清美環は非GPS環境に特化した小型機のIBIS2と、球体ガードで機体を囲うELIOS 3の二機を用意し、現場ごとに選んでいます。どちらが優れているかという話ではなく、条件によって向き不向きが入れ替わる、というのが実感に近いところ。

IBIS2は狭い開口向き、ELIOS 3は障害物接触に強いことを示す比較図

開口と区画が狭いなら小型機で通す

点検口が小さく、区画の抜け穴も限られる現場では、機体そのものが小さいことが何より効いてきます。IBIS2は非GPS環境を前提に設計された小型機で、人が通るのがやっとの開口から降ろし、狭い区画を縫うように進める場面に向いています。梁で細かく仕切られた事務所ビルや集合住宅の地下ピットは、この条件に当てはまることが多いでしょう。

接触が避けられないなら球体ガードで守る

一方、配管やケーブルラックが密に走っていて、飛行中に壁や障害物へ触れる可能性が高い現場では、ELIOS 3の球体ガードが効きます。外周のガードが接触を受け止めるため、当たっただけで飛行不能になるリスクを抑えられます。空間としてはある程度の広さがあるものの、内部の障害物が多いプラント系のピットや大型の槽は、こちらが候補。

判断の順序を決めておくと迷わない

実際の選定では、次の順に条件を確認していきます。第一に進入口と区画開口の実寸、第二に内部の障害物の密度、第三に進入口からの飛行距離、第四に撮りたい対象。全体をひととおり見て異状の有無をつかみたいのか、特定のひび割れや腐食を細かく確認したいのかで、選ぶ機体も飛ばし方も変わります。この四点を事前に押さえておけば、現地まで運んだ機体を飛ばせずに持ち帰る、という事態はかなり減らせるはずです。

自社のピットがどちらに当てはまりそうか判断しづらい場合は、点検口の寸法と内部の写真だけでもお送りください。近い条件の事例をもとに、実施できるかどうかをお答えします。ピット内点検の無料相談・お見積りはお問い合わせページから承ります。お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも受け付け中。

ピット内を飛ばす難しさは、機体ではなく操縦にある

機体の話をしてきましたが、ピット内点検の成否を最終的に分けるのは操縦です。屋外の空撮では、ドローンはGPS(衛星測位)で自分の位置を把握し、手を離してもその場に留まります。地下ピットの中に衛星の電波は届きません。機体は自分がどこにいるかを知らず、オペレーターからも直接は見えない。頼りになるのは、機体から送られてくる映像だけ。この方式をFPV(映像を見ながらの操縦)と呼びます。

暗く、壁が近く、粉塵や湿気で視界が濁る空間を、映像だけを見ながら進めていきます。しかも区画をつなぐ抜け穴は、機体の幅とさほど変わらないこともある。屋外空撮の経験がどれだけ豊富でも、この環境で同じように飛ばせるとは限りません。ドローンを購入した点検会社から「買ったが管内で飛ばせない」という相談が清美環に寄せられるのも、屋内・管内の操縦が別種の技能を要するからでしょう。当社が実績としてお伝えできる中部地方の下水道管100メートル、関西の薬品タンク内部調査、北陸の焼却炉煙突30メートルは、いずれも非GPS環境をFPVで飛び切った現場です。

全区間を精密に見ない、二段階のふるい分け

ピットは建物が大きいほど区画数が増え、すべてを同じ精度で調べようとすると時間も費用も膨らみます。そこで清美環では、点検を二段階に分けてきました。最初にスクリーニング調査として全体を素早く飛び、異状が疑われる区画を絞り込む。そのうえで、要注意と判断した箇所だけを本格調査で詳しく確認するという進め方です。

全体を素早く飛んでから要注意区画だけ詳しく調べる二段階調査の流れ

先に広く当たりをつけておけば、限られた時間と予算を、本当に見るべき場所へ振り向けられるでしょう。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できています(現場条件による目安)。区画数の多い大規模なピットや、点検の期限が決まっている案件ほど、この二段構えが効いてきます。撮影した映像と報告書はデータで納品しますので、社内での共有や次年度との比較にもそのまま使えます。

スクリーニングの映像は全区画分が残るので、今回は異状がなかった区画も、次回の点検で前回との差を見比べる材料になるでしょう。一度きりの記録で終わらせず、経年の変化を追える形にしておくと、補修の優先順位もつけやすくなります。

依頼前にそろえておきたい情報と、点検後の一手

問い合わせの段階で次の情報が手元にあると、実施可否と進め方の判断が早まります。点検口の位置と実寸、ピットの平面的な広さと梁下高さ、区画の数と抜け穴の有無、床に水や泥が溜まっているかどうか、そして過去の点検記録や図面の有無。図面が残っていなくても構いません。むしろ図面のない現場こそ、映像で内部を記録しておく価値が大きいといえます。

それから、点検のあとに何が起きるかも考えておきたいところ。ピット内の点検では、配管の漏水痕やひび割れだけでなく、床に堆積した泥や排水経路の詰まりが見つかることがよくあります。清美環の本業は、三十年以上続けてきた下水道管・排水管の清掃。管の中で何が起きているかを知ったうえで映像を読み解けますし、見つかった堆積や詰まりは、そのまま清掃まで一括してお引き受けできます。点検会社と清掃会社を別々に手配して段取りが二重になる、という手間がかかりません。

すでに機体をお持ちで、操縦だけを任せたい点検・調査会社からのご依頼にも対応しています。年に数回のピット点検のために非GPS環境の操縦技能を社内で維持するより、その部分だけを切り出すほうが現実的な場面もあるでしょう。操縦委託の専用窓口からご相談ください。

ピット内点検のご相談は管内点検ドローン『フクロウ』へ

ピット内点検にドローンを使うかどうかは、技術の新しさで決めるものではありません。進入口の寸法、区画の構造、床の状態、撮りたい対象。この現場条件を並べたときに、人が入る段取りより飛ばしたほうが早く確実か、という比較で決まります。飛ばすと決めたなら、小型機で通すのか球体ガードで守るのかという機体選定と、非GPS環境を映像だけで飛ばせるオペレーターの有無が、結果を左右していきます。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、IBIS2とELIOS 3の二機を現場条件で使い分け、下水道管や薬品タンク、焼却炉煙突といった閉鎖空間を飛ばしてきました。三十年以上の管清掃で培った知見があるため、点検で見つかった堆積や詰まりへの対処までを一続きでお任せいただけます。実施できるかどうかの見当をつけたい段階でも構いません。点検口の寸法とピットの状況をお聞かせいただければ、近い事例をもとに具体的な進め方をお答えします。無料相談・お見積りはお問い合わせページ、お電話は042-765-4100(平日9時から18時)で承っています。

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