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タンク内部点検の頻度は原則年1回|3年に1回と免除になる条件

タンク内部点検の頻度は原則年1回|3年に1回と免除になる条件

「本当はもっとこまめに中を見たい。でも、そのたびにラインを止めて人を入れるわけにはいかない」。タンクの点検頻度を調べている担当者の方から、よく聞く言葉です。

調べ始めると「原則年1回」「3年に1回でよい場合がある」「免除される場合もある」と答えが枝分かれし、自分の設備がどれに当たるのか分からなくなります。頻度が一本の数字に収まらないのは、何を貯めているか、どう設置されているかで、適用される規定が変わるためです。

この記事では、消防法にもとづく点検の頻度を条文の区分ごとに整理し、そのうえで「頻度を上げたくても上げられない」という現場の板挟みと、その解き方まで、閉鎖空間の点検を手がけてきた立場からお伝えします。

この記事でわかること

・日常点検と定期点検はどう違うのか ・危険物タンクの定期点検は何年に1回か ・地下タンクの漏れの点検が3年周期になる条件、免除される条件 ・誰が点検を実施できるのか、記録は何年残すのか ・一回の点検を軽くして、頻度を上げられる状態をつくる方法

日常点検と定期点検は根拠も目的も別物

ひとくちに点検と言っても、毎日の日常点検と周期を定めた定期点検は、意味も根拠も違います。混同したまま頻度を語ると、必要な点検を取りこぼすか、逆に過剰な手配をすることになります。

日常点検定期点検
位置づけ多くの現場で自主的な取り組み法令が周期と項目を定めた法定の点検
目的毎日の目視で変化に早く気づく構造的な劣化を確かめる
見るもの油のにじみ、におい、計器の異常法令が定めた点検項目
記録現場の運用による作成と保存が義務づけられている

頻度を問われる場面のほとんどは定期点検を指しています。ただし両者は役割が違うため、片方があれば片方が要らないという関係ではありません。

危険物タンクの定期点検は原則として年1回以上

ガソリン、重油、灯油といった危険物を貯蔵・取り扱うタンクは、消防法上の危険物施設として定期点検の対象になります。給油所の地下タンクや工場の重油タンクが典型例です。

定期点検は原則として年に1回以上が基本の周期です。見落としやすいのは対象範囲で、タンク本体だけでなく、危険物を送る配管や附属設備も外せません。「タンクは見たが配管は手つかず」を防ぐため、範囲を先に確認してください。

地下タンクの漏れの点検は3つの段階で周期が変わる

地下貯蔵タンクと地下埋設配管は外側を目で確かめられないため、漏れの点検が別に定められています。この周期は、講じている措置によって3段階に分かれます(危険物の規制に関する規則 第62条の5の2・第62条の5の3)。

原則3年に1回でよい点検が免除される
漏れの点検の周期1年に1回以上3年に1回以上点検そのものが不要
満たすべき条件下の2つに当てはまらない場合完成検査から15年を超えない、または漏えいを覚知して拡散を防ぐ措置がある微少な漏れを検知する設備で常時監視し、流出を防ぐ区画などがある

「漏えいを覚知して拡散を防ぐ措置」とは、週1回以上の漏えい確認(漏えい検査管での確認、または貯蔵量の100分の1以上の精度での在庫管理)に加えて、タンク周囲に流出を防ぐ区画などを設けている状態を指します。なお二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻は、それ自体が3年に1回以上とされています。

「うちも3年に1回でいいらしい」と聞いた話をそのまま当てはめないでください。条件を満たしていなければ原則どおり年1回です。完成検査からの経過年数と、講じている措置の両方を先に確認してください。

「10年」「13年」という長い周期の検査が語られることがありますが、これは容量1万キロリットル以上の大型屋外貯蔵タンク(特定屋外タンク貯蔵所)の保安検査の話で、地下タンクとは別の制度です。混同すると点検の間隔を大きく取り違えることになります。

点検を実施できるのは資格を持つ人に限られる

周期を守っていても、点検した人に資格がなければ法定の点検として成立しません。定期点検を行えるのは危険物取扱者または危険物施設保安員です。それ以外の人が点検する場合は、危険物取扱者の立会いが要ります(危険物の規制に関する規則 第62条の6)。

地下タンクや地下埋設配管の漏れの点検には、さらに要件が上乗せされます。資格を持っているだけでは足りず、告示で定める点検方法についての知識と技能を持つ人でなければ実施できません。外部に委託するときは、この要件を満たす人が作業するのかを確認してください。

点検記録は種類ごとに保存年数が違う

点検は実施して終わりではありません。点検した施設の名称、方法と結果、年月日、実施者または立会人の氏名を記録し、定められた期間保存するところまでが点検です(規則第62条の7・第62条の8)。

保存年数
一般の定期点検3年間
地下貯蔵タンク・地下埋設配管の漏れの点検3年間
移動貯蔵タンクの漏れの点検10年間
屋外貯蔵タンクの内部点検26年間(15年周期を適用した場合は30年間)

記録が連続していれば前回からの変化を追えますが、断片的だと頻度を守っていても「なぜその判断に至ったか」を後から説明できません。なお、点検記録を消防機関へ提出・報告することを求める規定は置かれていません。作成と保存までが義務です。

頻度を上げられない理由は一回の点検が重いこと

人がタンクの内部に立ち入って点検するには、相応の準備と安全対策が要ります。密閉された空間では酸素の欠乏や有害なガスの滞留といったリスクがあり、立ち入り作業には労働安全衛生法にもとづく安全の確保が欠かせません。

中身を抜き、洗浄し、換気し、監視役を置く。さらに操業の停止、足場や安全設備の準備が加わります。一回あたりの負担が大きいほど、回数は絞らざるを得ません。

お客さまお客さま

劣化は待ってくれないので、本当はもっとこまめに中を見たいんです。ただ、そのたびにラインを止めて人を入れるとなると、年1回を守るのが精一杯で。

コバクロウコバクロウ

その板挟み、どの現場でも聞きます。考えるべきは「頻度を上げる」ことそのものより、一回の点検を軽くして、上げられる状態をつくることかもしれません。

タンク内部点検の頻度を法令別に整理|上げたい現場の効率化まで|清美環ドローン

タンクを開けず人を入れずに内部を見る方法がある

その発想から使われ始めているのが、ドローンによる内部点検です。人が立ち入れない、あるいは立ち入りたくない閉鎖空間へ小型の機体を送り込み、内部の様子を映像で確かめます。タンクを全面的に開放して人を入れるやり方に比べ、一回の点検にかかる段取りを減らせます。

人が入る従来点検とドローン点検の段取りの比較図
1
STEP
広く見て、問題箇所を絞り込む

まず全体をざっと飛んで状態のあたりをつけます。当社の実績では、この段階で通常の1.5〜1.6倍の距離を同じ時間で調べられています(現場条件による目安です)。

2
STEP
絞り込んだ箇所だけを詳しく見る

必要な部分だけを本格調査で確かめます。同じ点検時間でより広く見られれば、限られた工期や予算のなかでも点検の密度を上げやすくなります。

非GPSの暗い空間を映像だけを頼りに飛ばす操縦は、屋外の空撮とはまるで難度が違います。壁面すれすれを進み、狭い開口から入り込む飛行には熟練したオペレーターの技量が要ります。非GPS環境に特化した小型の機体と、球体のガードを備えた機体を、現場の条件に応じて使い分けています。

頻度と方法を見直すときに確認すること

頻度の数字を追う前に、次の4点を整理しておくと判断がぶれません。

  • そのタンクが何を貯めていて、どの規定の点検対象に当たるのか
  • 完成検査からの経過年数と、漏えいを検知する設備を備えているか
  • 定期点検や配管の記録が連続して残っていて、劣化の傾向を追えるか
  • 内部点検のたびに、操業停止や開放洗浄でどれだけの負担が生じているか

とくに最後の一点が見落とされがちです。一回の点検が重いままだと、どれほど頻度を上げたいと思っても現実は追いつきません。開放せずに映像で内部を確かめる方法を選択肢に加えておくと、頻度と負担のバランスを取り直せます。

よくある質問

タンクの定期点検は年に何回必要ですか

消防法上の危険物施設にあたるタンクでは、原則として年1回以上です。タンク本体だけでなく、危険物を送る配管や附属設備も点検の対象に含まれます。

地下タンクの漏れの点検が3年に1回でよいと聞きました

完成検査を受けた日から15年を超えないタンク、または漏えいを覚知して拡散を防ぐ措置が講じられているタンクは3年に1回以上に緩和されます。どちらにも当てはまらなければ原則どおり年1回です。

資格がない社員が点検してもよいですか

危険物取扱者の立会いを受ければ、危険物取扱者以外の人でも点検を行えます。ただし地下タンクや地下埋設配管の漏れの点検は、告示で定める点検方法の知識と技能を持つ人でなければ実施できません。

点検記録は消防署に提出するのですか

提出や報告を求める規定は置かれていません。作成して保存するまでが義務です。保存年数は点検の種類によって異なり、一般の定期点検と地下タンクの漏れの点検は3年間です。

タンクを廃止するときや、しばらく使わないときはどうしますか

用途を廃止したときは、遅滞なく市町村長等へ届け出ます(消防法第12条の6)。一方、使用を休止しても定期点検の義務そのものは原則として続きます。地下タンクと地下埋設配管については、貯蔵・取扱いを休止し、市町村長等が保安上支障がないと認めた場合に限り、申請にもとづいて漏れの点検の期限を延長できます(免除ではありません)。

人を入れずに内部点検はできますか

点検口から小型の機体を入れて映像で確認する方法があります。タンクの形状、開口の大きさ、内部の残留物によって可否が変わるため、事前に条件をお聞かせください。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』について

株式会社清美環は、下水道管や排水管の清掃、排水処理施設の維持管理を30年以上手がけてきた会社です。その本業で培った閉鎖空間の知識を土台に、タンクや煙突、ボイラーといった人が入りにくい空間のドローン点検を行っています。

これまでに、関西で薬品タンクの内部調査、北陸で高さ30メートルの焼却炉煙突、中部で100メートルにおよぶ下水道管を調査しました。

見つけた堆積や詰まりを、そのまま清掃まで

内部点検で汚泥の堆積や詰まりが見つかったとき、その状態を最もよく分かっているのは点検した本人です。清美環では点検で把握した状況をそのまま清掃の一括対応につなげられます。「見つけたが、後は別の会社へ」という分断が起きません。

まとめ 頻度は法令が決め、上げられるかは一回の重さが決める

タンク内部点検の頻度は、貯めているものと設置の状況で変わります。危険物タンクの定期点検は原則年1回以上、地下タンクの漏れの点検は完成検査からの経過年数と講じている措置によって1年・3年・免除の3段階です。まず自分の設備がどこに当たるかを確かめることが出発点になります。

そのうえで、法令の下限を守るだけで安心できないなら、考えるべきは頻度の数字より一回の点検の重さです。開放と立ち入りを前提にしている限り、回数は現実的に増やせません。一回を軽くできれば、頻度は後からついてきます。

一回の点検を軽くするところから

タンクの種類ごとの点検頻度や、人を入れずに内部を確認する方法についてご相談を承っています。タンクの形状、開口の大きさ、これまでの点検のやり方をお聞かせいただければ、対応できるかどうかを事例ベースでお答えします。

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