管内点検ドローン『フクロウ』/BLOG
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タンク内の目視検査をドローンで行う範囲|検査項目ごとの見え方と限界

タンク内の目視検査をドローンで行う範囲|検査項目ごとの見え方と限界

タンク内の目視検査のうち、ドローンの映像で置き換えられるのは、腐食や割れ、スケールの付着、塗装のはがれといった表面の異常を見つけて位置を押さえる段階までです。経済産業省と総務省消防庁が2020年3月にまとめた考察でも、こうした不具合の一次検査は画像で代替できると考えられる一方、腐食の深さや板厚の数値はドローンでは計測できないと整理されました。映像による内部確認は、人を槽内へ入れずに全体を見て、足場や計測を異常が映った箇所だけに当てるために使うものです。

清美環は、下水道管の清掃やタンクの油・薬品の引き抜きを三十年以上続けてきた会社で、管内点検ドローン『フクロウ』で関西の薬品タンクの内部調査も行いました。タンクの中身と汚れ方を知る清掃会社として、検査項目ごとに映像で何がどこまで見えるのかと、発注の前に決めておく条件を書きます。

タンク内の目視検査で確かめる項目と法定の周期

タンクの目視検査で確かめる基本の項目は、漏れ、変形と亀裂、塗装の状態と腐食の有無です。危険物保安技術協会が2013年3月にまとめた屋外貯蔵タンクの側板の点検に関する検討報告書も、定期点検では底部と側板をこの三項目について目視で確かめると整理していました。

タンクを開けて行う内部点検と保安検査では、底部の板の厚さと溶接部が対象になります。方法は目視検査に加えて、板厚測定と磁粉探傷試験です。

消防法で内部の点検時期が決まっているタンク

消防法の危険物を貯蔵する屋外タンク貯蔵所のうち、指定数量の倍数が200以上のものは、原則として1年に1回以上の定期点検が必要です(危険物の規制に関する政令第7条の3・第8条の5、危険物の規制に関する規則第62条の4)。引火点のある液体の危険物を貯蔵し、容量が1,000キロリットル以上1万キロリットル未満のタンクには、13年以内に1回の内部点検が求められます。保安のための措置を講じて市町村長等に届け出ていれば15年で、期間内に行うことが難しい場合は届け出て2年まで延ばせます(同規則第62条の5)。

容量1万キロリットル以上の特定屋外タンク貯蔵所は、市町村長等が行う保安検査を受けなければなりません。周期は原則8年で、保安のための措置に応じて10年か13年、底板の腐食量の測定結果などに基づく場合は8年以上15年以内の期間が定められます(危険物の規制に関する政令第8条の4)。

一方、硫酸や塩酸は消防法の別表第一とその政令が定める危険物の品名に含まれておらず、これらだけを貯蔵するタンクには消防法の定期点検や内部点検の周期はかかりません。

ドローンの映像で確認できる検査項目

ドローンの映像で確認できるのは、内壁や溶接線に出ている腐食・割れ・はがれ、高所の骨組みの劣化、底部の堆積物の広がりです。経済産業省と総務省消防庁の目視検査の代替可能性に関する考察は、休止中の重油タンクで2020年1月に行った飛行実験がもとになりました。考察では、腐食、摩耗、傷、スケールの付着と堆積、破損、割れ、変形やゆるみ、剥離の一次検査は画像で代替できると考えられるとまとめられました。

映像で確認できる項目と計測が必要な項目の違い

内壁と溶接線の腐食・割れ・塗装のはがれ

内壁と溶接線では、表面に出ている腐食や割れ、塗装のはがれを映像で見つけられます。実験では、壁面の溶接線に付いたスケールや、大きな腐食と損傷の状況が確認できました。暗いタンク内でも、機体のライトで照らして見える明るさを確保できました。

映像で押さえるべきなのは、異常がどの高さのどの方位にあるかという位置です。位置が記録に残っていれば、足場を組む範囲と計測を当てる箇所をその場所だけに絞れます。

天井や高所の骨組みとボルト

天井の骨組みやボルト、通気口の内側は、映像による確認がいちばん効く場所でしょう。人が見るには足場が要る高さでも、機体なら足場なしで近づいて撮れます。考察も、足場がないと検査できない高所を見られる点を、ドローンの最大の利点に挙げていました。

底部の堆積物とスケールの広がり

底部にたまった沈殿物やスケールは、どこにどれだけ広がっているかを映像で確かめられます。ただし、堆積の厚さやスケールの量は数値にできません。清美環は本業の一つがタンク清掃なので、映像で見つかった堆積はそのまま清掃の段取りに移せます。

映像だけでは決められない検査項目

板の厚さ、腐食の深さ、スケールや腐食の下の状態は、映像だけでは決められません。考察は、スケール量や腐食深さを人がデプスゲージなどで測っている現状に対し、ドローンには計測の手段がないと課題に挙げています。スケールや腐食の下の状態は、ケレン(表面の錆や付着物を削り落とす作業)をしないと見えないため、ドローンでは対応できないとされました。

内部点検と保安検査の項目のうち、底部の板厚測定と溶接部の磁粉探傷試験も、撮影では代わりになりません。板厚を測る機器を機体に載せ、2,900立方メートルの二重壁タンクで84か所の肉厚を人が入らずに測った海外の事例はあります。ただし計測には板に当てる専用の機器が要るため、映像による確認とは別の作業として計画するものです。

考察は、足場なしで高所を見て、本当に必要な箇所だけに足場を組んで検査するスクリーニングとしての使い方を示しました。映像は、どこを測るかを決めるために使うと、足場と計測の範囲を小さくできます。

映る範囲を決める照明とカメラの角度

タンク内でどこまで映るかは、照明の当て方とカメラの角度で決まります。考察の実験では、操縦者とタンクの状態を判断できる社内の担当者が同じ画面を見ながら、担当者が照明とカメラの角度を細かく指示して撮りました。先に撮影だけ済ませて、後から担当者が録画を見て判断する方法では、有効な画像が撮れない可能性があると注意されています。

見つけたい異常の大きさも、撮影の前に決めておきます。消防庁の調査検討会が2023年3月にまとめたドローンを活用した屋外貯蔵タンクの側板等の点検に係るガイドラインは、見つけたい腐食の寸法を決め、使うカメラで試し撮りして撮影距離を決める手順を示しました。ガイドラインの対象はタンクの外面ですが、何ミリの異常を見つけたいかで機体を寄せる距離が変わる点は、タンク内でも同じです。

記録の残し方も、同じガイドラインに示されていました。動画で異常を見つけたら、その箇所の静止画を撮って位置を記録し、動画は後から確かめられるよう録画して残す方法です。発注の前に、納品される映像に静止画と位置の記録が付くかを確かめてください。

機体を入れる前提と撮りたい箇所に合わせた機体

タンク内に機体を入れられるかは、まず可燃性のガスや蒸気が残っていないかで決まります。考察の実験は爆発性の雰囲気が生じるおそれのない場所で行われ、今のドローンが防爆機器でない点が導入の課題に挙げられていました。油や溶剤を入れていたタンクでは、内容物の抜き取りと洗浄、換気が機体を入れる前提になります。

IBIS2とELIOS3の使い分け

清美環の機体は、非GPS環境に特化した小型のIBIS2と、球体のガードで機体を囲うELIOS 3の二つ。どちらで撮るかは、見つけたい異常の大きさと、その異常がある場所から決めます。溶接線の細かな割れや塗装のはがれを近い距離から撮りたいときは、ガードに守られて内壁の近くまで寄せられるELIOS 3が向くでしょう。配管や撹拌機の裏、天井の骨組みのすき間のように、機体が小さいほど入り込みやすい位置を撮りたいときは、小型のIBIS2を使います。

鋼板に囲まれたタンク内には衛星の電波が届かず、操縦者は機体から送られる映像だけを見て飛ばします。考察も、目視外飛行の技能不足を、機体を正しく操縦できなくなる原因の一つに挙げました。清美環には、非GPSの暗所を映像だけで飛ばし慣れた熟練オペレーターが在籍しています。

お持ちのタンクに機体を入れられるかは、容量、貯蔵物、開口部の位置と径が分かれば判断がつくでしょう。管内点検ドローン『フクロウ』への無料相談・お見積りは、お問い合わせページから受け付けています。お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承ります。

発注前にタンクごとに確かめること

タンク内の映像調査を発注する前に、次の五つを決めておいてください。

  1. 貯蔵物と容量 法定点検の対象になるタンクかどうかと、映像をどの点検に使うかを決めます。内部の法定点検に映像を使えるかは、所管の消防に前もって確かめてください
  2. 残液とガスの状態 抜き取り、洗浄、換気をいつ誰が行うかを決めます
  3. 開口部と内部の構造物 マンホールの位置と径、内部の配管や撹拌機の有無で、使う機体が変わります
  4. 見つけたい異常の大きさと立ち会う人 撮影距離の目安と、同じ画面を見て指示する社内の担当者を決めます
  5. 納品物と後の作業 動画と静止画に位置の記録が付くか、板厚の計測や清掃を誰が行うかを決めます

清美環が機体を入れているのは、球体や円筒の大型タンク、下水道管とマンホール、焼却炉、ボイラー本体、ピット内、プラントやダクトの内部です。飲料水をためる受水槽と貯水槽には、墜落したときの衛生面の影響を考えて機体を入れていません。

タンク内の目視検査の相談は『フクロウ』へ

タンク内の目視検査をドローンで行うと、表面に出た異常とその位置は、人を槽内へ入れずに映像で押さえられます。板厚や腐食の深さの数値は、映像で絞った箇所に計測を当てて得ます。映像と計測の分担を発注の前に決めておけば、足場と計測の範囲を小さくできるでしょう。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの暗所を映像だけで飛ばす熟練オペレーターとIBIS2・ELIOS 3の二機体で、関西の薬品タンクの内部調査などを行ってきました。映像で見つかった堆積は、本業のタンク清掃でそのまま取り除けます。ドローンを持っていてもタンク内を飛ばせない点検・調査会社からの操縦委託もお引き受けしてきました。

無料相談・お見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。タンクの容量と貯蔵物、開口部の位置が分かる図面があれば、機体を入れられるかと映る範囲の見通しをお答えします。

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