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TVカメラ調査と清掃のセット発注|工程の順番と届かない区間の埋め方

TVカメラ調査と清掃のセット発注|工程の順番と届かない区間の埋め方

下水道管や排水管の調査を手配しようとして、「TVカメラ調査と清掃はセットで頼めるのか」と調べ始めた方が多いのではないでしょうか。調査会社に見積を依頼したら「まず清掃が必要です」と言われた、あるいは清掃を頼んだ先で「中の状態を見ないと範囲が決まらない」と返された。どちらを先に置くのか、二社に分けると何が起きるのか、判断の材料は意外と見つかりません。

この記事では、調査と清掃が切り離せない理由を工程の側から整理し、順番の決め方、まとめて発注したときに実際に減るもの、清掃を済ませてもなおTVカメラが進めない区間の扱いまでお伝えします。下水道管と排水管の清掃を三十年以上続け、いまは管内点検ドローン『フクロウ』を管の中で飛ばしている清美環の立場から書きました。

TVカメラ調査と清掃が「セット」で探される理由

結論から書くと、汚れたままの管にカメラを入れても、カメラは本来の仕事をしません。管底に汚泥が積もっていれば、その下にあるひび割れは映像に出てきません。壁面に油脂が厚く張り付いていれば、内面の腐食がどこまで進んでいるのかも読み取れないでしょう。

物理的な問題も重なります。TVカメラ調査で使う自走式の機材は、管底を走って進む構造。堆積物が一定の高さを超えると車輪が乗り上げて姿勢が崩れ、そこから先へ進めなくなりました。

清掃を挟まずに調査だけを発注すると、報告書に「判定不能」と書かれた区間が並びます。その区間はあらためて清掃してから、もう一度カメラを入れ直すことになり、現場への出動が二回に増えました。発注する側が最初からセットで見積を取りたがるのは、この二度手間を避けたいからでしょう。

関連記事:下水道のドローン点検とは|管内を飛ばす仕組みと調査依頼の進め方

調査で見つかる異常を、清掃で片づくものと補修が要るものに分ける

セット発注が理にかなっている理由は、二度手間の回避だけにとどまりません。TVカメラ調査が見つけてくる異常そのものが、はじめから二種類に分かれているからです。

下水道管のTVカメラ調査で確認される代表的な項目は、管の腐食、取付管の異常、破損箇所、クラックと侵入水、油脂の付着、モルタルの付着、木の根の侵入、そして継ぎ手のズレ。八つ並んだこれらを、見つけたあとの処置で仕分けてみましょう。

清掃・除去で片づくもの

八つのうちこちらに入るのは、油脂の付着、モルタルの付着、木の根の侵入の三つ。ここへ、異常として一覧に並ぶ前にカメラの行く手をふさぐ管底の堆積を加えると、清掃の車両が出ていけば片づく対象は四種類になります。いずれも高圧洗浄や切削、吸引で取り除ける対象で、管そのものを直す工事にはなりません。飲食店の多い区域では油脂が、新設や更生の工事のあとにはモルタルが、街路樹の近くでは木の根が、それぞれ管の断面を狭めていきます。放置すれば流下能力が落ち、あふれや詰まりにつながる種類の異常でした。

補修・更生の検討に回るもの

残る五つ、管の腐食、取付管の異常、破損箇所、クラックと侵入水、継ぎ手のズレ。こちらは洗っても戻りません。部分補修か、管更生か、布設替えかという工事の判断へ進む項目で、設計と予算の話になります。取付管の異常をこちらに入れているのは、本管へ突き出しているだけなら切削で切り取れるものの、接続部が壊れていたり抜けていたりする場合が混じり、その見極めと処置が工事側の判断になるからです。侵入水が出ている継ぎ手は、周囲の土砂を管の中へ引き込んで路面下に空洞をつくる原因にもなるため、緊急度の判定では重く扱われてきました。

八項目のうち三つ、堆積を数に入れれば四種類が清掃の領分で片づく。この構図こそ、セット発注の実質的な根拠でした。調査報告書に並ぶ所見のうち、付着物と堆積についての記述は、そのまま清掃の作業指示に翻訳できる情報だと考えると分かりやすいはずです。翻訳先が同じ会社なら、映像を見せて説明し直す工程が丸ごと消えます。

関連記事:下水道管の点検方法を比較|TVカメラとドローンの使い分けと点検義務

清掃が先か、調査が先か。順番の決め方

セットで頼むと決めたあと、次に来るのが工程の順番です。ここは現場の状態で変わり、一律の正解はありません。

基本形は、清掃してから本格調査

管の中が汚れていると分かっている区間なら、先に高圧洗浄と吸引で堆積と付着物を落とし、きれいになった状態でカメラを入れます。管底も壁面も素の状態で映るため、ひび割れの幅や腐食の程度を判定でき、緊急度の判定に使える映像が残るでしょう。補修設計の前提にする調査であれば、この順番以外はほぼ選べません。

難点は費用の読みにくさで、どこがどれだけ汚れているか分からないまま全区間を先に清掃すると、清掃費が想定を超えて膨らみました。

簡易な調査で当たりをつけてから、清掃範囲を決める

そこで実務でよく採られるのが、段階を踏む進め方です。まず精度の低い簡易な調査で全体をざっと押さえ、異状が疑われる区間だけを清掃し、そこへ精度の高い本格調査を集中させます。マンホールの管口から管内をのぞく管口カメラのような簡易点検が、この一段目に置かれてきました。

なぜ段階を分けるのか。精度の高い調査ほど、機材も人手も時間もかかるからです。延長のある管路を最初から一律に自走式カメラで見ようとすれば、予算はあっという間に尽きます。広く浅く当たりをつけ、絞り込んだ区間へ清掃と精密調査を集中させる。この組み立てが、調査と清掃をセットで設計するときの骨格になりました。

関連記事:下水管の汚泥堆積対策|たまる原因と点検から清掃までの実務手順

まとめて発注すると、実際に減るのは現場に入る回数

セット発注の利点は費用の総額で語られがちですが、現場で効くのは別のところ。下水道管の作業では、管の中に手を入れる前の段取りが、そもそも軽くありません。マンホールの開口、交通規制と保安要員の配置、換気と酸素濃度や硫化水素の測定、安全確認。清掃でも調査でもほぼ同じ内容を毎回組み直すため、別々の会社に別々の日程で発注すれば、同じ段取りを二回踏む計算になりました。

車両の配車も同じ話です。高圧洗浄車、汚泥を吸い上げる吸引車、調査機材を積んだ車両が一本の工程につながっていれば、清掃を終えた区間からそのまま調査へ移れ、交通規制をかける日数も短くなるでしょう。

もうひとつ、責任の境目が生まれにくい点も見逃せません。清掃と調査が別会社だと、映像が濁ったときに「清掃が足りない」「調査の入れ方が悪い」という話になりがちです。同じ会社なら、洗浄が足りなければその場でもう一度当てて撮り直すだけで片づきました。

清掃を済ませても、TVカメラが進めない区間は残る

ここまでは、清掃すれば調査ができるという前提で書いてきました。ところが実際には、きれいにしたあとでも入っていけない区間が残ります。

段差で止まる自走式カメラとドローンの通過比較

典型は段差でしょう。管きょの接続部に落差があると、管底を走る機材はそこで止まってしまいます。急勾配の区間では自重で滑るか、ケーブルの張力が足りずに前へ出られません。雨のあとで水位が高い区間ではレンズが水没して映像が濁り、調査できる時間帯が天候に左右されました。大口径の管では管底の機材から管頂までの距離が開き、天端の状態を鮮明に撮りにくいという事情も加わります。

押さえたいのは、清掃が解決するのは堆積の問題であって、管の形状や水位の問題ではないという点。洗浄をどれだけ丁寧にかけても、段差は段差のまま、急勾配は急勾配のまま残ります。「清掃してから調査すれば全区間が見える」という前提は、条件次第で成り立ちません。

この空白を報告に残すだけにするのか、別の手段で見にいくのか。発注の前に決めておかないと、報告を受け取った段階で判断を迫られます。

自社の管路でどこまでが清掃で片づき、どこから別の手段が要るのか。対象設備と口径、延長、調査と清掃の履歴が分かれば、早い段階で見当がつきます。現場の条件をお聞かせいただければ、近い事例をもとに工程の組み方をお答えしますので、無料相談とお見積りはお問い合わせページからお気軽にどうぞ。

届かない区間を飛んで埋める、調査から清掃までの流れ

管底を走る機材が止まる場所でも、飛んで進む機体なら越えていけます。清美環の管内点検ドローン『フクロウ』が使われるのは、この空白の部分でした。

点検からセット清掃までの4段階の流れ

先に対象の線引きをしておきます。宅内の排水管や口径の小さい配水管には機体が入らないため、そこは内視鏡やTVカメラの領分のまま。受水槽や貯水槽も、墜落したときの衛生面の影響から対象外にしました。飛ばすのは、人が通れる口径の下水道管とマンホール、それに焼却炉、大型タンク、ボイラー本体、ピット内、天井裏、ダクト内といった閉鎖空間になります。

調査から清掃までは、おおむね次の順で進めてきました。

  1. 図面と過去の調査履歴、清掃記録を確認し、水位や段差、開口部の条件を現地で押さえる
  2. スクリーニング調査として全体を一気に飛び、清掃が要る区間と精査が要る区間を映像で仕分ける
  3. 絞り込んだ区間に高圧洗浄と吸引をかけ、堆積物や油脂、木の根を取り除く
  4. 清掃後の状態であらためて本格調査を行い、TVカメラとドローンを条件で使い分けて記録する
  5. 映像と報告書をデータで納品し、補修が要る箇所と経過観察でよい箇所を分けて示す

二段構えの狙いは、清掃と精密調査を打つ範囲を先に決めてしまう点にあります。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調べられました。調査すべき延長が積み上がっている現場ほど、この差は効いてくるでしょう。

非GPSの暗所を、映像だけで飛ばす

管の中の飛行は、屋外の空撮とは別の技能を要します。衛星の電波が届かないため機体は自分の位置を知る手がかりを持たず、暗く、壁が近く、粉塵や水面が視界を乱しました。オペレーターは機体から届く映像だけを見て操縦することになり、この方式をFPVと呼びます。屋外で安定して飛ばせる操縦者が、そのまま管内を飛ばせるとは限りません。

機体は現場の条件で使い分けています。非GPS環境に特化した小型のIBIS2は、狭く入り組んだ管や開口部の小さい設備に向いた機体。球体のガードで囲ったELIOS 3は、接触の可能性が高い場所や障害物の多い槽の内部で力を発揮します。

セットで頼むときに、仕様書へ書いておきたいこと

ひとつの発注にまとめると、契約の中身は少し込み入ってきます。着手後に食い違いが起きやすい項目は、先に文字にしておくと後が楽でした。

  • 清掃の到達基準 どの状態まで洗えば調査に移るのか。管底が見えるところまでか、壁面の付着物まで落とすのかで作業量が変わります
  • 判定不能区間の扱い カメラが進めなかった区間を報告に残すだけにするのか、再清掃や別手段で見にいくところまで含めるのか
  • 記録の仕様 映像データだけなのか、所見と緊急度の判定まで付くのか。更新計画の会議に持っていける形かどうかが分かれ目です
  • 撤去物の処分 吸い上げた汚泥や取り除いた木の根の運搬と処分を、どちらが受け持つのか
  • 追加で見つかった箇所の扱い 調査中に補修対象が出てきたとき、その場で見積を出すのか、別案件として切り出すのか

差が出やすいのは三つめの記録の仕様でしょう。映像を渡されただけでは、来年度の予算要求にも工事の設計にも使えません。どの区間から手を付けるべきかを判断できる形になっているか、発注の前に見本を確認してください。

TVカメラ調査と清掃のセット発注は『フクロウ』にご相談ください

TVカメラ調査と清掃がセットで探されるのは、汚れた管ではカメラが本来の精度を出せず、見つかる異常のうち油脂やモルタル、木の根の付着と管底の堆積は清掃だけで片づく対象だからでした。順番は現場次第。汚れが分かっている区間は清掃を先に、範囲が読めない区間は簡易な調査で当たりをつけてから清掃と本調査を集中させます。

清美環は下水道管と排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃を三十年以上手がけてきました。点検で堆積や詰まりを見つけたら、そのまま清掃まで一括で引き受けられます。管内点検ドローン『フクロウ』では、中部地方で中規模の下水道管を約100メートルにわたって調査したほか、関西では薬品タンクの内部調査、北陸では焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって点検してきました。ドローンを保有していて管内を飛ばせないという点検・調査会社からの操縦委託にも対応しています。

調査だけ、清掃だけという段階でも構いません。対象設備と口径、延長、これまでの履歴をお聞かせいただければ、近い条件の事例をもとに具体的な進め方をご提案します。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。

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