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下水管の汚泥堆積対策|たまる原因と点検から清掃までの実務手順

下水管の汚泥堆積対策|たまる原因と点検から清掃までの実務手順

下水管の汚泥堆積対策を調べていくと、検索結果には「下水汚泥の有効利用」「汚泥の処理方法」といった見出しが並びます。日本下水道協会や国土交通省の資料も上位に出てきますが、そこで語られているのは処理場に集められた汚泥をどう脱水し、焼却し、肥料として資源化するかという話。管路の中にたまった堆積物をどうするかとは、対象がまるで違っています。

この記事で扱うのは後者、つまり管きょの内側にたまる汚泥や土砂への対策です。どこにたまりやすいのか、なぜ同じ区間で繰り返すのか、そして取り除く前にまず何を確かめるべきなのか。下水道管や排水管の清掃を三十年以上続けてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』で管の中を飛ばしている立場から、点検と清掃をひと続きで扱う手順をお伝えします。

処理場の「下水汚泥」と、管の中の「堆積物」は別物

まず用語の整理から。下水汚泥という言葉は、一般に下水処理場で汚水を浄化する過程で発生する泥状の物質を指します。沈殿池で沈んだ固形物や、反応タンクで有機物を分解した微生物の塊がこれにあたり、濃縮・脱水を経て焼却されるか、堆肥やセメント原料、肥料として利用されてきました。

一方、下水管の中にたまるのは、家庭や事業所から流れ込んだ土砂、油脂、し渣(トイレットペーパーや厨芥などの夾雑物)、それに管の破損部から吸い込まれた周囲の土。処理場に到達する前に、管路のどこかで沈んで止まってしまったものです。両者は発生する場所も、成分も、対処する主体も違います。処理場の汚泥処理は施設の運転管理の領域、管内の堆積は管路の維持管理の領域と、担当する部署まで分かれていました。

検索結果が自分の困りごとと噛み合わないと感じるなら、たいていはこの二つが混ざっているのが原因でしょう。以降は管路側に絞って進めます。

関連記事:下水道のドローン点検とは|管内を飛ばす仕組みと調査依頼の進め方

汚泥がたまる区間には、必ず理由がある

管内の堆積は、管路全体へ均一に積もるわけではありません。たまる場所は決まっていて、しかもそこには物理的な理由があります。清掃で一度きれいにしても同じ区間が再びふさがるのは、原因が管の形状や周辺環境の側に残っているからにほかなりません。

流速が落ちる区間

下水道管は自然流下、つまり勾配で水を流す仕組みが基本です。設計上の勾配が緩い区間、管径が急に大きくなる区間、伏越しのように一度下がってから上がる区間では、流速が落ちて固形物が沈みます。合流式の管きょでは晴天時の流量が少なく、まとまった雨が降るまで流されずに残る堆積もありました。流速が足りない場所に、砂と土は素直にたまります。管路台帳で勾配の緩い区間や管径の変わる位置を拾い出しておくと、堆積が起きやすい場所の見当をつける手がかりになるでしょう。

油脂が冷えて固まる場所

飲食店や食品工場が接続している系統では、油脂の固着が堆積の主役になります。厨房から出た温かい油は液体のまま管へ入りますが、管内で冷えると壁面に付着し、そこへし渣や砂を巻き込んで層を作ります。グリース阻集器、いわゆるグリストラップの管理が行き届かない事業所が上流にあると、下流の管でこの現象が起きやすくなりました。油の層は水では流れず、放っておくと年単位で厚みを増していきます。

管の破損から土砂が入ってくる場所

三つめが最も注意を要するもので、管そのものが壊れているケース。継ぎ手のずれ、クラック、接続部の隙間から周囲の土砂が管内へ吸い込まれると、管の中には土がたまり、管の外の地盤には空洞が育ちます。この場合の堆積物は、供給源が絶たれないかぎり清掃しても必ず再発します。毎年のように同じ区間を清掃しているという心当たりがあるなら、堆積の量ではなく管の状態を疑ってみる価値があるでしょう。

関連記事:下水道管の点検方法を比較|TVカメラとドローンの使い分けと点検義務

堆積を放置すると、通水断面と作業環境の両方が痩せる

堆積が管の断面を占めると、当然ながら流せる水の量が減ります。晴天時は問題なく流れていても、雨で流量が増えたときに飲みきれず、マンホールから溢れたり上流の宅内へ逆流したりする事態につながりかねません。

もう一つ見落とされやすいのが、管内環境への影響。堆積した有機物は酸素の乏しい状態で分解が進み、硫化水素が発生します。硫化水素は人体への毒性が高いだけでなく、管内で硫酸に変わってコンクリート管を腐食させる性質を持っていました。堆積を放置すると、水が流れにくくなるだけでなく、管そのものの寿命も削られていくわけです。

作業する側にとっても、堆積区間は入りづらい場所になります。人が管内へ立ち入るなら、酸素濃度と硫化水素濃度の測定、強制換気、監視員の配置といった段取りが前提となり、準備だけで日数と費用がかさみました。

関連記事:排水管ファイバースコープの費用|内訳とマンションの負担区分

堆積対策は四つの手順で組み立てる

ここから実務の話に移りましょう。汚泥の堆積に対して現場で採るべき順番は、おおむね次のように整理できます。

映像確認から清掃・事後確認までの4手順図解
  1. どこに、どれだけたまっているかを映像で確かめる 対象区間の全体を見て、堆積の厚み、水位、閉塞の程度を把握します
  2. 堆積の原因を切り分ける 流速不足なのか、油脂なのか、管の破損由来なのかで、その後の打ち手が変わります
  3. 清掃の工法と範囲を決める 高圧洗浄で流せるのか、吸引で引き抜く必要があるのかを、堆積の性状と量から判断します
  4. 取り除いた後をもう一度確認し、次の周期を決める 堆積の下に隠れていた管の損傷を確かめ、再堆積の速度から次回の清掃時期を見積もります

この順番で一番飛ばされやすいのが一つめでしょう。詰まっているらしいから、とりあえず清掃を発注する。そうした進め方は珍しくありません。ところが清掃を先に入れると、どの区間にどれだけたまっていたかという情報は汚泥と一緒に消え、原因の切り分けに使えるはずだった証拠まで失われます。

四つめも同じくらいの意味を持っています。堆積物を取り除いた直後の管内は、普段なら汚泥に隠れている管底や継ぎ手が露出した状態。ここで映像を残しておくと、堆積の下にあったクラックや土砂の流入口が見つかることがあります。清掃の前と後で二回撮ることによって、「何がたまっていたか」と「なぜたまったか」の両方が手に入るのです。

堆積が厚い区間ほど、地上からは確かめにくい

では、どうやって堆積の状況を確かめるのか。下水道管の調査で長く標準的に使われてきたのは、自走式や牽引式のTVカメラを管路へ入れる方法でした。ひび割れや継ぎ手のずれ、堆積の分布を連続した映像として記録できる、実績のある手段です。

堆積に阻まれるTVカメラと飛び越える点検ドローンの比較図

ただしこの方式には構造上の弱点があります。カメラは管底を走るため、堆積そのものが走行の障害になるという点。堆積が厚い区間ほどカメラは進めず、一番見たい場所の映像が手に入らないという、順番の逆転した状況が起きます。水位が高ければレンズが水に浸かって濁り、段差や急勾配があればそこで停止しました。堆積量を知りたいのに、堆積のせいで測れない。現場でよく突き当たる壁です。

管内点検ドローンが扱いやすいのは、まさにこの領域。機体は管底を走らず飛んで進むため、堆積の山を越えて先へ行けます。水が残っている区間でも、水面より上の空間を通って内壁と水位線を撮影できました。堆積の頂点がどこにあり、どこから断面がふさがり始めているのかを、途切れない映像で押さえられます。

清美環では調査を二段階に分けて運用しています。まず対象の全体を一気に飛んで映像で押さえ、異状が疑われる箇所をふるい分けるスクリーニング調査を行い、要注意と判断した区間だけを本格調査でじっくり確認する流れ。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できました。調べるべき延長が積み上がっている管路ほど、この差は効いてくるでしょう。

機体は現場条件で使い分けています。非GPS環境に特化した小型のIBIS2は狭い管や開口部の小さい設備向き、球体ガードで囲ったELIOS 3は接触の可能性が高い槽内向き。管の中は衛星の電波が届かず暗いため、オペレーターは映像だけを見て操縦することになり、屋外の空撮とは求められる技能が異なりました。

堆積の実態が分からないまま清掃の見積りを取ることに不安があるようでしたら、まず現況の把握からご相談いただけます。対象区間の管径と延長、これまでの清掃履歴をお聞かせいただければ、近い条件の事例をもとに進め方を具体的にお示しできるでしょう。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承っております。

見つけた堆積を、清掃と搬出までひと続きで引き受ける

点検を外注するときに見落とされやすいのが、調査の後の段取りです。映像で堆積が確認できたとして、それを取り除く作業は誰が担うのか。調査会社と清掃会社が別だと、映像を渡し、状況を説明し直し、あらためて現場を見てもらうという往復が発生しました。

清美環は本業として、下水道管・排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃、池や水路の清掃を三十年以上手がけてきました。点検で堆積や詰まりを見つけたら、そのまま清掃まで一括で対応できます。産業廃棄物の収集運搬にも対応しているため、取り除いた汚泥をどこへ運ぶかという段取りも同じ窓口で進められました。管の中を見る、取り除く、運び出すという三つを切り分けずに扱えるところが、点検だけを請け負う会社との違いになります。

本業の経験は、映像の読み解きにも効いてきます。管の中に映った堆積物が、清掃すれば流れる汚れなのか、破損によって土砂が入り込んでいるのか。硫化水素が滞留しやすいのはどんな形状の区間か。長年管の中を見続けてきた感覚が、清掃で済ませる区間と補修まで踏み込む区間の線引きを早めてくれるわけです。

実績としては、中部地方で中規模の下水道管を約100メートルにわたって調査したほか、関西では薬品タンクの内部調査、北陸では焼却炉の煙突を高さ約30メートルにわたって点検してきました。ドローンを導入したものの管内で飛ばせないという点検・調査会社に向けて、オペレーターの操縦だけを引き受ける対応も行っています。

ドローンで中を見られる設備と、見られない設備

堆積のご相談をいただいても、対象にならない設備はあります。機体を入れられるのは、人が通れるほどの口径がある下水道管とマンホール、それに焼却炉、大型タンク、ボイラー本体、ピット内、天井裏、ダクト内、プラント設備の内部といった閉鎖空間。いずれも人が入れない、あるいは入りたくない場所という共通点を持っています。

反対に、宅内の排水管や配水管のように口径の小さい管には、機体が物理的に入りません。受水槽や貯水槽も、墜落したときの衛生上の影響を考えて対象から外しました。細い管の内部を見るなら内視鏡やファイバースコープ、管底を這うTVカメラのほうが適した手段でしょう。

下水管の汚泥堆積対策は『フクロウ』にご相談ください

下水管の汚泥堆積対策は、清掃を発注すれば片づく仕事ではありません。どこにどれだけたまっているかを先に押さえ、原因を切り分け、そのうえで清掃の範囲と次の周期を決める。この順番を守れるかどうかで、同じ区間を毎年掃除し続ける状態から抜け出せるかが決まってきます。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの暗所を映像だけで飛ばせる熟練オペレーターと二種類の機体で、TVカメラが止まる区間の先まで堆積の状況を記録してきました。映像と報告書はデータで納品しており、清掃計画の資料としてそのまま使えます。見つかった堆積は、本業の側で除去から搬出まで引き受けます。

関連記事:排水管の老朽化を調査から清掃まで|劣化のサインと発注手順の実務

堆積の量が読めない、清掃の範囲を決めきれない、どの区間から手をつけるべきか判断がつかない。そうした段階のご相談で構いません。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。現場の規模や条件によって進め方は変わりますので、まずは今の状況をお聞かせください。

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