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密閉空間の点検を人を入れずに進める|対象設備と操縦技術の見極め

密閉空間の点検を人を入れずに進める|対象設備と操縦技術の見極め

密閉空間の点検について調べると、点検サービスの紹介ページが次々に見つかります。書かれている内容はどこも似通っていて、安全に、効率よく、遠隔で。読み比べても、自分が管理している槽や炉をどう点検すればよいのかは決まらないままではないでしょうか。

判断が進まない理由ははっきりしています。密閉空間の点検で難しいのは機材の性能ではなく、その空間に人を入れられるのか、入れたとして安全に戻せるのかという現場条件の側にあるからでしょう。この記事では、法令が指す密閉空間の範囲、人を入れる場合に積み上がる段取り、そして人を入れずに中を見るときの実際を順に整理します。下水道管や排水管の清掃、タンク清掃を三十年以上手がけてきた清美環が、管内点検ドローン『フクロウ』で閉鎖空間を飛ばしている立場から書きました。

密閉空間の点検は、法令がどこを名指ししているかから始まる

密閉空間という言葉そのものに、法律上の定義はありません。実務で基準になるのは、労働安全衛生法施行令の別表第六が列挙している「酸素欠乏危険場所」のほうでした。

別表第六の第九号は、し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他の腐敗し、または分解しやすい物質を入れてある、もしくは入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きよ、マンホール、溝、ピットの内部を挙げています。第三号の三では、海水が滞留している、または滞留したことのある熱交換器、管、暗きよ、マンホール、溝、ピットの内部が対象。下水道管、汚水槽、処理施設のピットといった設備が、条文の文言にそのまま当てはまることが読み取れます。

危険の中身は、酸素欠乏症等防止規則の第二条が数値で定めていました。空気中の酸素の濃度が十八パーセント未満である状態を「酸素欠乏」と呼び、これに硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態を加えたものが「酸素欠乏等」にあたります。別表第六の第三号の三、第九号、第十二号に掲げる場所での作業は第二種酸素欠乏危険作業に区分され、酸素と硫化水素の両方を管理する対象になりました。

密閉空間の点検を検討する最初の一歩は、対象設備がこの列挙に入るかどうかを図面と使用履歴で確かめることになります。入るのであれば、以降の段取りは規則が定めた手順に沿って組み立てるほかありません。

関連記事:タンク内部点検の頻度は原則年1回|3年に1回と免除になる条件

人を入れる点検で、実際に積み上がる段取り

第二種酸素欠乏危険作業に該当した場合、内部へ立ち入る前に踏むべき手順が並びます。酸素欠乏症等防止規則が事業者に求めているのは、おおむね次のような内容でした。

  • その日の作業を開始する前に酸素と硫化水素の濃度を測定し、記録を三年間保存する(第三条)
  • 酸素の濃度を十八パーセント以上、硫化水素の濃度を百万分の十以下に保つよう換気する(第五条)
  • 換気が行えない場合や著しく困難な場合は、空気呼吸器、酸素呼吸器または送気マスクを備えて使用させる(第五条の二)
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任する(第十一条)
  • 常時作業の状況を監視し、異常を早期に把握するために必要な措置を講じる(第十三条)

ここに設備側の準備が重なります。開口部の確保、内部足場の設置と解体、照明の引き込み、そして設備そのものの停止。焼却炉やボイラーであれば、冷却を待つ時間も日程に組み込むことになるでしょう。

見積書の内訳を眺めると、中を見る行為そのものより、人が入れる状態をつくる作業のほうが大きく積み上がっているはず。点検に要する日数の多くも、測定と換気と足場に費やされてきました。人を入れないという判断は、点検の精度を落とす話ではなく、この準備工程をまとめて外す話になります。

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中を見る手段を、届く範囲で並べ直す

人を入れずに内部を確認する方法は一つではありません。それぞれ届く距離と見えるものが違うため、対象設備に照らして選ぶことになります。

点検方法の比較|内視鏡・TVカメラ・飛行調査

内視鏡・ファイバースコープ

細いスコープを開口部から差し込み、内面の腐食やスケールの付着を映像で確認する方法です。口径の小さい管にも入れられる反面、届く距離は数メートル程度にとどまり、曲がりが続くと途中で進めなくなりました。点で確かめる調査だと考えると実態に近いでしょう。

TVカメラ調査

自走式や牽引式のカメラを管路に入れ、内部を連続して撮影する方法。下水道管の調査では長く標準的な手段として使われてきました。ただし機材は管底を走るため、段差、急勾配、水位の高い区間では性能を出しきれません。

飛行して進む調査

機体を空中で進める方式なら、管底の状態に左右されにくくなります。段差を越え、水面より上を進み、槽の上部や炉の内壁のように機材を這わせられない面も撮影対象に入りました。人を立ち入らせるための足場も、原則として不要になります。

関連記事:タンク内の目視点検を代替する条件|酸欠リスクとドローン活用の実際

ドローンを入れる空間と、入れない空間

先に線引きをはっきりさせておきます。ドローンはどんな密閉空間にも入れるわけではありません。清美環が機体を入れているのは、次のような空間になります。

ドローンが飛行できる対象空間と対象外の設備
  • 下水道管とマンホール(人孔)の内部
  • 焼却炉と煙突
  • 大型タンク(球形タンク、円筒タンク)の内部
  • ボイラー本体、ピット内
  • 天井裏、ダクト内
  • 工場・プラントの設備内部

一方で、機体を入れない設備も決めています。宅内の排水管や配水管は口径が小さく、機体が物理的に入りません。受水槽や貯水槽は、万一の墜落で衛生面の影響が出るため対象から外しました。こうした設備は、内視鏡やTVカメラ、従来の清掃点検の手順が担う領域のままです。

密閉空間の点検を外部へ頼むときは、この線引きを先に示す会社かどうかも手がかりになるはず。何でも対応できるという説明よりも、対象外を先に言う会社のほうが現場条件を具体的に読んでいると考えられます。

密閉空間で飛ばすとは、非GPSの暗所を映像だけで操ること

密閉空間の点検で成否を分けるのは、機材よりも操縦する人でした。ここが、外から比較しようとしていちばん見えにくい部分でもあります。

屋外の飛行実績では測れない技能

管やタンクの内部には衛星の電波が届かず、機体は自分がどこにいるかを知る手がかりを持ちません。照明を入れなければ真っ暗で、壁は数十センチの距離にあり、粉塵や水面が視界を乱します。オペレーターは機体から送られてくる映像だけを見て姿勢と進路を決めることになり、この方式をFPVと呼びました。

屋外で安定して飛ばせる操縦者が、そのまま管内や炉内を飛ばせるとは限りません。壁との距離を画面の中だけで測り、狭所で乱れる気流に抗して姿勢を保ち、入ってきた経路をたどって開口部まで戻す。一連の動作を確実にこなせる人材は多くないのが実情でしょう。清美環が同業の点検・調査会社から操縦だけを引き受けているのも、機体はあるが管内では飛ばしきれないという相談が届くからです。

機体は現場条件で使い分ける

清美環は二種類の機体を現場に応じて選んできました。非GPS環境に特化した小型のIBIS2は、狭く入り組んだ管や開口部の小さい設備に向いた機体。球体のガードで囲ったELIOS 3は、接触の起きやすい場所や障害物の多い槽内で使っています。同じ密閉空間という括りでも、開口部の寸法、内部の広さ、堆積の状況で最適な選択は変わってきました。

対象設備の図面と開口部の寸法、これまでの点検履歴をお聞かせいただければ、どちらの機体でどう進めるかを近い条件の事例に照らしてお答えします。管内点検ドローン『フクロウ』への無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お電話は042-765-4100(平日9時から18時)でも承ります。

カタログの写真ではなく、実際に撮れた映像で判断する

点検を任せる前に確かめておきたいのは、その会社が自分の現場に近い空間で、実際にどんな映像を撮ってきたかでしょう。機体のスペック表は、メーカーが公開している共通の情報にすぎません。

清美環がこれまでに手がけた密閉空間の調査には、中部地方での中規模下水道管およそ100メートルの調査、関西での薬品タンク内部の調査、北陸での焼却炉煙突およそ30メートルの点検があります。いずれの現場でも自社で撮影した管内映像が手元にあり、相談の段階で条件の近いものをお見せできます。壁面の見え方、堆積物の写り、暗部の粒状感まで含めて、納品物の水準を先に確かめていただけるはず。

調査の進め方は二段階で組み立てています。まず対象の全体を一気に飛んで映像で押さえ、異状が疑われる箇所をふるい分けるスクリーニング調査を行い、要注意と判断した区間だけを本格調査でじっくり確認します。当社の実績では、スクリーニング調査によって通常の1.5倍から1.6倍の距離を同じ時間で調査できました。映像と報告書はデータで納品しており、更新計画の資料としてそのまま使えます。

点検の後についても触れておきます。密閉空間の内部で見つかるのは、ひび割れや腐食だけではありません。汚泥の堆積、油分の固着、異物による閉塞。清美環は本業として下水道管・排水管の清掃、排水処理施設の維持管理、タンク清掃を三十年以上続けてきたため、点検で見つけた堆積や詰まりをそのまま清掃まで引き受けられます。調査会社と清掃会社を別々に手配し、映像を渡して説明をやり直す手間が、ここで一つ減りました。

密閉空間の点検について『フクロウ』に相談する

密閉空間の点検は、労働安全衛生法施行令の別表第六に該当するかどうかで手順が変わり、該当するのであれば測定、換気、保護具、作業主任者、監視人という段取りが積み上がります。費用と日数の多くはその準備に乗っているため、人を入れずに済ませられる範囲を先に見極めておくと、点検計画の輪郭がはっきりしてくるでしょう。

清美環の管内点検ドローン『フクロウ』は、非GPSの暗所を映像だけで飛ばせる熟練オペレーターと、IBIS2とELIOS 3という二種類の機体で、下水道管、マンホール、焼却炉、大型タンク、ボイラー、ピット、天井裏、ダクトといった閉鎖空間の調査を担ってきました。すでに機体を保有していて管内を飛ばせないという点検・調査会社からの操縦委託にも対応しています。

関連記事:密閉空間の点検をドローンで進める手順|現場条件の確認から報告書まで

どの手段が合うか決めきれない段階でも構いません。対象設備と開口部の寸法、内部の広さ、これまでの点検履歴をお聞かせいただければ、近い事例をもとに進め方を具体的にご提案します。無料相談とお見積りはお問い合わせページから、お急ぎの場合はお電話(042-765-4100/平日9時から18時)でも承ります。

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